1985 Fiscal Year Annual Research Report
自己学習による機能拡張性を備えた診断コンサルテーションシステムの開発
Project/Area Number |
59870081
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古川 俊之 東京大学, 医, 教授 (20101082)
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Keywords | 知識工学 / 知能CAI / 自己学習型機能拡張 / 体液平衡モデル / 生物学的最小実現モデル / 輸液コンサルテーションシステム |
Research Abstract |
人間の判断スキーマの特徴である「常識的結論形成」過程のソフトウエア化に成功したので、本年度は所期の研究計画実行に先だち、新し推論エンジンを基礎としてコンサルテーションシステム全体の見直しと再構築を行った。 (1)階層的推論エンジン:人間の推論過程は、【◯!1】可能な全仮説の提示、【◯!2】不合理な仮説の排除、【◯!3】残った仮説間の整合性の検定、【◯!4】最終判断の順位付け、から成ると考えられる。人間の判断の不確定性は異る情報源から導かれる仮説間の不一致によることが多い。また従来の人工知能的推論に取り入れられた確実性(Certainty Faccor)のような確率概念は、現実に確定することが不可能に近い上に、現実の隘路はむしろ情報の欠落ないし知識の欠如にある。そこで前記の4階層構造システムを持つ推論エンジンを作成した。このシステムを実地のデータについてテストした結果、予想どおり専門医師の思考過程に充分近い推論システムが得られた。 (2)CAI機能の拡充:新しい推論エンジンを用いてCAIシステムの再構築を行い、通常文による回答メッセージ機能を推論の階層性に合わせて整備した。これによって利用者ないし学習者は推論エンジンの軌跡を確実に辿ることが容易となり、今後の情報収集にも多大の便宜を得られる見通しを得た。 (3)診断論理改良のための技術:新しい推論エンジンの装備によって、推論モジュールの操作、すなわち改良、組み換え、点検などが極めて容易となった。このためコンサルテーションシステム作成者の負担を軽減でき、複数の研究者の協力も可能となった。 (4)データベースの構築:専門医の経験した症例を収集し、症例所見と病態病因の対応の他に治療効果の評価を含めたデータ・ベースの作成に着手した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 綜合臨床. 34-4. (1985)
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[Publications] 医用電子生体工学研究会資料. 85-3. (1985)
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[Publications] 医用電子と生体工学. 23-特別号. (1985)
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[Publications] 第5回医療情報学連合大会論文集. (1985)