1985 Fiscal Year Annual Research Report
腎症候性出血熱(HFRS)の早期診断法の開発及びその予防ワクチン開発に関する研究
Project/Area Number |
59880005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山西 弘一 大阪大学, 微研, 助教授 (10029811)
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Keywords | 腎症候性出血熱 / HI法 / HFRSウイルス / マクロファージ |
Research Abstract |
前年の研究に続き本年度は【◯!1】更に簡便な抗HFRSウイルス抗体検査法の開発 【◯!2】HFRSウイルスに対するワクチンの開発のための大量ウイルス培養 【◯!3】世界各地で分離されたウイルス株の抗原比較 【◯!4】HFRSウイルスの動物実験について研究を行ってきた。 【◯!1】現在抗体検査法として広く螢光抗体法(FA)が用いられているが我々は更に簡便な方法として赤血球凝集抑制法(HI法)を新たに開発した。方法はウイルスをVeroE6細胞に培養しその上清より超遠心法にてウイルス粒子を集め、更にそれにアセトンを加えて処理しウイルスを不活化した。この抗原を用いて患者血清中の抗体を検索した結果抗体の変動はFA法によるものと相関した。又HFRSウイルスで汚染されているラットの抗体価とも相関した。その結果 FA法に比しその感度はにぶいが多量の検体を早急にテストできることが判明した。 【◯!2】前年に続きHFRSウイルスに対する不活化ワクチンを作製するために大量のウイルス粒子を集めるべくVeroE6細胞、新生児マウスにウイルスを接種し、高力価のウイルスを採取しようとしたがいまだ約【10^6】PFU/ml以上の力価を得ることができない。今後更に他の細胞やラットを用いて研究を進める予定である。 【◯!3】我々は世界各地より集めた4種のウイルスを抗原として29種類のモノクローン抗体と反応させた。方法はFA及びHI法で行ったがその結果4種のウイルス(Hantaan,B-1,Prospect Hill,H【a!¨】lln【a!¨】s)共に抗原性が非常に異ることが判明した。しかし一方、共通の部位も存在した。 【◯!4】HFRSウイルス、ラット、マウスを用いた感染実験は前年度に報告したが、本年度には更にウイルスがラットに感染後どの組識でつよく増殖するかを検索した。その結果このウイルスはマクロファージでよく増殖することが判明し、マクロファージでこのウイルスは抗体感染することも判明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] J.Gen.Virology. 66-5. (1985)
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[Publications] J.Gen.Virology. 67-1. (1986)
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[Publications] Virology. (1986)