1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60010005
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
東 市郎 北海道大学, 免疫研, 教授 (50028411)
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Keywords | 免疫アジュバント / キノニル-MDP / トレハロースジマイコレート / リピドA / MDP誘導体 / 単クローン抗体 / N-CWS / LAK活性 |
Research Abstract |
本年は当研究班の3年次にあたり、3年間の研究の総括と将来への展望を試みる。 1.抗腫瘍免疫アジュバントの開発 東、関川、長谷川、芝らによって抗腫瘍免疫の増強活性を有する免疫アジュバントの開発を試みた。東らはすでにline10肝癌に強い退縮活性を示すキノニル-MDP-66を合成し、有効な水中油エマルジョン製剤を開発したが、本年度は更に強いマクロファージ活性化能を有する免疫アジュバントであるトレハロースジマイコレート(TDM)及びその関連化合物を化学合成し、その中でも特にTDNMがTDMに比し毒性が低く、旦キノニル-MDPや他のアシル-MDPと併用するとline10に対する抗腫瘍活性が飛躍的に増強されることを見出した。芝は大腸菌及びサルモネラのリポ多糖体の活性因子であるリピドAを完全合成すると共にその他関連糖脂質も化学合成した。合成リピドAは天然リピドAと同等の生物活性を示した。特にインターフェロンや腫瘍壊死因子(TNF)の誘導に強い活性を示した。長谷川はリピドA関連物を化学合成し、特にGLA27が毒性が低く、インターフェロンとTNF活性の誘導活性を示した。 2.新しい実験モデルの確立 岸本はMH134に対する単クローン抗体を作製し、免疫アジュバントが単クローン抗体によるADCCを増強するかを検討し、N-CWSが強い増強活性を有することを見出した。 3.免疫アジュバントによる癌免疫療法 安元は術後肺癌患者の胸膜腔内にIL-2(1000U)を連続7日間投与しても胸腔内リンパ球にLAK活性を誘導出来ないが、IL-2投与3日前にN-CWS(500μg)を胸腔内投与しておくとLAK活性が誘導出来ることを見出した。 以上の成績は抗腫瘍活性を有する免疫アジュバントの開発と臨床応用の可能性を強く示唆するものである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Chem.Pharm.Bull.33-10. (1985)
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[Publications] Infect.Immun.49-1. (1985)
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[Publications] Eur.J.Immunol.15-2. (1985)
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[Publications] Cancer Res.45-3. (1985)
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[Publications] Cancer Res.45-12. (1985)