1985 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜に作用する抗癌抗生物質の検索と構造-活性相関の研究
Project/Area Number |
60010029
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大岳 望 東京大学, 応微研, 教授 (30013303)
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Keywords | 抗癌剤の輸送機構 / 転移阻止 / チロシンキナーゼ阻害剤 |
Research Abstract |
がんの化学療法は、最近著しい進歩を示しているにも拘らず、なお副作用や薬剤耐性など重要な問題が残されている。本研究班は既存の薬剤と異なる作用材構をもつ新しい制癌剤の開発を目的として組織したしたもので、7名より成る。 (1)アルゴマイシン関連化合物の構造を明らかにし、アドリアマイシン耐性細胞を用いて抗癌剤の輸送機構について研究を行い、側鎖の糖鎖の性質により膜輸送が修飾される可能性を示した(大岳,鶴尾) (2)バクトボリンに関してはフェノール性水酸基のメチル化が活性を変化させずに毒性の顕著な軽減を持たらした(前田) (3)サフラマイシンは前駆体を添加する強制生合成法により親化合物(サフラマイシンA)より活性の上昇した、側鎖に修飾可能なアミノ基を含む誘導体を得た。この誘導体をさらに修飾し、B16メラノーマ、ルイス肺癌の転移阻止を検討した結果、親化合物より優れた化合物3種を得た(三上) (4)アスカマイシンの作用機構の研究から、腫瘍細胞にアスカマイシンの脱アラニル化を行う酵素が存在していると判明した(浦本) (5)リン脂質に結合して細胞膜を修飾死滅させると考えられているスタボマイシンの誘導体を作製し、11位及び15位の水酸基をアシル化することにより、副作用である溶血性が1/4以上に軽減した(小宮山) (6)チロシンキナーゼ阻害剤の探索の結果、ゲニステインを得た。不化合物はAキナーゼ、Cキナーゼ、ATPアーゼなどは阻害せず、極めて特異性が高いことが判明した(小河原)
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[Publications] Cancer Chemotherapy & Pharmacology. 15-1. (1985)
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[Publications] J.Antibiotics. 38-11. (1985)
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[Publications] Autimicrobial Agents & Chemothirapy. 27-2. (1985)
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[Publications] Autimicrobial Agents & Chemothirapy. 28-1. (1985)
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[Publications] Biochemical & Biophysical Res Commun.131-1. (1985)