1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60010070
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
玉置 憲一 東海大学, 医, 教授 (50055860)
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Keywords | ヌードマウス / horizontal oncogenesis / 癌遺伝子 / マウスN-ras |
Research Abstract |
ヒト腫瘍の移植局所から発生するヌードマウス起源の腫瘍発生機構は世界的に研究されているが、発生頻度が低いこともあって解明されていない。そこで、ヌードマウスに可移植化されたヒト腫瘍における癌遺伝子活性化機構との関連を含めて、検討を行った。人癌移植局所から発生したマウス腫瘍は5株でいずれも線維肉腫であるが、これらについては1. マウス腫瘍中にヒト由来のDNAが含まれるか、2. ヒトの癌遺伝子配列が含まれるか、3. マウス線維肉腫の癌遺伝子活性化がいかなる機構に基くかを検討した。 1. マウス腫瘍中にはサザンブロット法でヒト特異的中等度反覆配列であるAlu配列は見出されず、腫瘍化にとってヒト由来の核酸が持続的にマウス細胞内に存在することは必要でないと考えられた。2. さらに、myc, N-myc, myb, K-ras, H-ras, N-ras, yes, fes,ros, abl, mos, erbB, rel, fms, sisの癌遺伝子はいずれも見出されなかった。3. マウス線維肉腫中に存在する活性化癌遺伝子を検出するため、NIH3T3細胞にトランスフェクションを行ったところ、ヒトリンパ腫移植による誘発されたマウス腫瘍からえたDNAがトランスフォーミング活性を示した。この遺伝子はDNA、DNAハイブリッド形成によりマウスのN-ras遺伝子と同定された。この癌遺伝子のクローニングを行ない、ras 遺伝子で点突然変異が発見される7.4kbpのEcoR工断片とこれから由来する6.1kbp断片についてクローニングを行ない、プラスミドを作製した。現在第1エキソンと第2エキソンを含む領域の塩基配列決定を行っている。 さらに、ヌードマウス可移植人癌について広く癌遺伝子増巾を検索し、胃癌2株にmycの多形膠芽腫2株にerb Bの増巾が見られることを証明し、myc mRNAについてはhisto-in situ hybridizationで細胞内局在を証明している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 第8回日本分子生物学会要旨集. (1985)
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[Publications] 日本病理学会誌. 93. (1985)
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[Publications] Jpn.J.Cancer Res. 76-10. (1985)
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[Publications] Proc.5th Int.Workshop on Immune-Peficient Animal. (1985)
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[Publications] 第44回日本癌学会総会記事. (1985)