1985 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍性非特異的エフェクター細胞の活性化機構とその強化による制癌の研究
Project/Area Number |
60010089
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Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
徳永 徹 国立予防衛生研究所, その他, 研究員 (40072863)
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Keywords | NK細胞 / マクロファージ / 非特異的エフェクター / サイトカイン / インターフェロン / がん免疫 / インターロイキン |
Research Abstract |
本研究の目的は、癌細胞に対する非特異的エフェクターとしてのNK細胞およびマクロファージ(Mφ)の活性化、分化、動態などと、これら細胞が産生し、あるいはこれら細胞を標的とする種々のサイトカインに関する研究と、このような非特異的機構と特異的免疫機構の接点に関する研究を行なうことにある。 サイトカインに関しては、本年度はとくにインターフェロン(IFN)、Mφ活性化因子(MAF)、インターロイキン1インヒビター(IL-1・INH)をとりあげ、IFNについては主として単クローン抗体による解析と、他のMφ活性化物質との相剰作用の機作について、MAFについてはヒトT細胞ハイブリドーマからの遺伝子クローニング、またIL-1・INHについてはMφラインが産生する分子量約5万の蛋白に関して免疫生物学的検討を行なった。 癌性胸水中にN-CWSを注入するとMAF産生が見られMφが活性化すること、癌患者の単球は一般に機能亢進が見られること、などが報告された。 NK細胞に関しては、MφがIL-2レセプター発現を制御することにより、NKの増殖調節を行なっていること、またNKクローン細胞がT細胞レセプター遺伝子の再構築を示すこと、しかしNK活性の発現はそれと関係が無いらしいこと、またNKは骨髄幹細胞の分化成熟の制御作用を示すこと、などの新知見が報告された。 BCGと交叉反応性を示すハプテンで修飾した腫瘍細胞をBCG免疫マウスに接種し、ハプテン反応性ヘルパーTを利用して有効に腫瘍特異免疫を誘導し得た。また摘除腫瘍細胞とIL-2と自家リンパ球の混合培養により、脳腫瘍に有効なLAK等を誘導できた。 非特異的エフェクターの活性化の調節機構や認識機構が明らかにされ、全体像がより明確に把握されることにより、その操作による治療の展望がさらに開けるものと考えられる。
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