1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60015022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬川 薫 東京大学, 医科研, 助手 (30114523)
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Keywords | SV40 / ラージT抗原 / 細胞の癌化 / DNA合成系 / 糖鎖変化 / TGF産生 / C-oncの発現 |
Research Abstract |
1.細胞膜分画のT抗原:細胞質及び細胞膜に存在したままで一部の継代細胞をトランスホームすることのできる変異T抗原は、細胞内にプールされているTGFを細胞外に効率よく放出していた。2.細胞質のT抗原:細胞質の内膜系に変異T抗原が多量に存在している細胞では細胞の糖鎖が対照と比べ著く分岐していることが明らかになった。このことは特に酸性糖鎖について認められた。又、この細胞のEGFりセプターの糖鎖も対照に比較し変化していることが明らかになった。3.細胞核のT抗原:(1)in A941,in A942の片方が発現している細胞にもう一方をトランスフェクトすると細胞はトランスホームしたことより両株の欠損機能は互いに相補的であることが分かった。(2)先に精製した分子量68,000のたん白と、DNAポリメラーゼのなどを含む分画を混合し、SV40のin vitro DNA合成系を再構成した。(3)マウス乳癌ウイルス(MMTV)LTRにSV40ラージT抗原遺伝子を連結したプラズミッドを3Y1細胞に導入し、デキサメサゾン(DX)によってT抗原の転写が増大する細胞(MM3Y細胞)を樹立した。この細胞では、DX添加によって、対照の未添加に比べ、約30〜40倍のT抗原転写促進が認められた。又、MM3Y細胞は、DX添加によって軟寒天中で、未添加のものより、大きなコロニーを形成した。この際、細胞の外に対照に比べ、10倍以上のTGFが放出されていた。MM3Y細胞ではDX添加によって20種類のC-oncの中で、C-H-ras遺伝子の転写が促進されること、c-fos遺伝子の転写が抑制されることが明らかになった。
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[Publications] Mol.Cell.Biol.5. (1985)
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[Publications] Microbiol. Immunol.29. (1985)
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[Publications] B.B.R.C.134. (1986)
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[Publications] Virology. 149. (1986)