1985 Fiscal Year Annual Research Report
モノクロナール抗体による癌細胞表面抗原および癌関連抗原の研究
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60015096
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
多田 伸彦 東海大学, 医, 講師 (80167494)
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Keywords | モノクローナル抗体 / マウス / ヒトグリオーマ / ヒトメラノーマ / 腫瘍関連抗原 / 糖鎖抗原 |
Research Abstract |
A系マウスを、C57BL16マウス由来のT細胞株EL4で免疫し、そのマウス脾細胞とミエローマ細胞をハイブリドーマ技術を用いて融合させ、腫瘍細胞(EL4)表面抗原に対するモノクローナル抗体を作製した。出来た多数のモノクローナル抗体で、正常リンパ組織細胞と反応する抗体は除外し、EL4細胞とのみ反応する抗体(18種類)を得た。この中の、3種類のモノクローナル抗体(クローンA1.201,A1.245,A1.267)に関して報告する。免疫グロブリンクラスは、各々IgM(K),IgM(K)およびIgG3(K)である。種々のマウス白血病細胞株、およびその他の腫瘍株を調べた結果、EL4の他に RBL5(T細胞株)およびBPC4(ミエローマ)などに発現されていたが、その他の多くの腫瘍細胞には発現されないことが判明した。興味あることは、これらのモノクローナル抗体がヒトの腫瘍株と一定の傾向を示して反応したことである。種々のヒト悪性腫瘍培養株約50種類を調べた結果、クローンA1.245が最も広範囲な反応パターンを示し、グリオーマのほぼすべて(13/14)、肺癌(5/18)、神経芽腫(2/3)、メラノーマ(2/2)、肉腫(1/3)などが陽性であった。その他、胃癌、結腸癌、膵癌、肝癌、乳癌、腎癌、膀胱癌、咽頭癌、白血病等は、すべて陰制であった。クローンA1.245、A1.267に関しても、グリオーマ、メラノーマ、一部の肺癌と反応した。これらの事実は、調べた3つのモノクローナル抗体と反応する腫瘍は、神経堤由来の細胞が癌化したものであることを示している。これらの腫瘍関連抗原の生化学的解析にも着手し、抗原の煮沸処理によっても抗原性が失われないことから、抗原決定基は糖鎖であると考えられ、さらに詳細な解析を進めている。これらの、マウスおよびヒトの腫瘍細胞と反応するモノクローナル抗体の解析は、種を超えた癌関連抗原としても興味深いものがあると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 日本免疫学会総会記録. 15-502. (1985)
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[Publications] 日本病理学会会誌. 74-199. (1985)
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[Publications] J.Immunol.134-1749. (1985)
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[Publications] Fed.Proc.(USA). 44-788. (1985)