1985 Fiscal Year Annual Research Report
癌特異性発現としての糖蛋白質糖鎖の変異:単クローン抗体による解析とその臨床応用
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60015104
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
松岡 雄治 福岡大学, 医, 教授 (70078773)
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Keywords | 糖鎖構造の癌性変異 / 糖蛋白質 / 腫瘍マーカー / CEA / CEA関連抗原 / 単クローン性抗CEA抗体 / 糖鎖エピトープ / ペプチドエピトープ |
Research Abstract |
癌化に伴う分子構造の変化として、糖蛋白質糖鎖の構造変異が注目されている。Carcinoembryonic antigen(CEA)は種々の癌細胞で産生される分子量約20万、50-60%の糖を含む糖蛋白質で、現在最も広く用いられている腫瘍マーカーである。本研究はCEA及び関連抗原の糖鎖構造を単クローン抗体により解析し、癌化に伴う糖鎖構造の変異の実体を把握しようとするものである。現在までに作製した多数(300個以上)の単クローン抗体のうち146個の抗体の反応特異性の解析を完了したがその結果は次の如くである。Group【I】:NCA共通部分に対する抗体23株。Group【II】:NFCA共通部分に対する抗体31株。Group【III】:NFA-1共通部分に対する抗体46株。Group【IV】:抗原標品間で甚だ多様性に富む反応を示す抗体33株。Group【V】:すべてのCEA標品とは強く反応し、関連抗原とはほとんど反応しない、CEA特異部分に対する抗体13株。これらの抗体に対応する抗原エピトープはGroup【IV】の抗体の認識するものは糖鎖上に存在し、他のすべてのGroupの抗体の認識するものはペプチド鎖上にあることが分った。Group【IV】の抗体は確かにCEAと反応するがすべてのCEA標品と反応する訳ではなく、CEA分子の糖鎖構造に多様性のあることが明らかになった。さらに、Group【IV】の抗体のあるものは正常人の血清、唾液、胃液などに含まれる高分子物質(多分ムチン様糖蛋白質)とも交差反応を示し、生体内に広く分布する糖鎖構造を認識するものであることが示唆された。Group【V】の抗体は最も癌特異性の高いものであるがその対応するエピトープはペプチド鎖上にあり、癌化に伴うペプチド構造の変異、ひいては遺伝子レベルの変異が示唆された。目下、糖鎖を認識するGroup【IV】の抗体の中にGroup【V】に相当する癌特異性をもった抗体が存在しないかどうか詳しく検索中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Molecular Immunology. 22-1. (1985)
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[Publications] 最新医学. 40-6. (1985)
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[Publications] 医学と薬学. 14-3. (1985)
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[Publications] "腫瘍マーカー" 医学書院, (1985)