1985 Fiscal Year Annual Research Report
太平洋岸における台風発生極大波の地域分布と波浪災害危険度に関する研究
Project/Area Number |
60025039
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
山口 正隆 愛媛大学, 工, 教授 (60027266)
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Keywords | 台風 / 異常波浪 / 波浪推算 |
Research Abstract |
1.波浪推算法の適用性に関する研究:まず、流れと海底地形変化が同時に存在する場合の不規則波の変形計算法を提案し、河口における不規則波の変形特性を調べた。ついで、近年日本に上陸した9台風について太平洋大領域で、また、5つの台風について四国沖および東海沖中領域で著者らの深海波浪推算モデルによる波浪追算を行い、観測結果との比較からその適用性を明らかにした。さらに、中領域での計算結果を境界条件とした大阪湾・紀伊水道海域における波浪追算を浅海モデルにより実施し、同様の結果を得た。 2.台風発生極大波の地域分布に関する研究:過去50年間に日本へ来襲し、高波浪をもたらしたと推定される合計67台風時における大領域での波浪追算結果から各地点の最大出現波高を抽出することにより、太平洋海域での台風発生極大波の平面分布やわが国沿岸での台風発生極大波分布を求めた。ついで、上述の結果から四国沖および東海沖に異常波浪をもたらしたと考えられた5台風時における中領域での波浪追算結果から四国〜東京間の極大波高の平面分布や沿岸分布を算出した。この結果によれば、房総半島沖、紀伊半島沖および沖縄南東海域などで15m以上の高波が出現したと考えられた。 3.台風発生極大波による災害危険度に関する研究:1950年以降の64台風に対する波浪追算結果から得られた年最大波高資料の極値統計解析により、確率波高の沿岸分布を推定し、極大波高や海岸構造物の設計波高および過去の台風時における被災波高との比較を行った結果、極大波高の沿岸分布はおおむね50年確率波高分布と対応すること、設計波高は極大波高や50年確率波高と対応する地点も多いが、紀伊半島以西の海域や北海道沿岸ではこれらよりかなり小さいことが見出された。また、被災時波高はおおむね設計波高や極大波高より小さいことから、とくに前述の海域での長期間における被災可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 土木学会論文集. 357-【II】-3. (1985)
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[Publications] 第21回水工学夏期研修会講義集. (1985)
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[Publications] 第32回海岸工学講演会論文集. (1985)
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[Publications] 愛媛大学工学部紀要. 11巻1号. (1986)
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[Publications] 土木学会論文集. (1986)