1985 Fiscal Year Annual Research Report
富栄養化防止を目的とした集水域と受水域の対話型システムモデルの開発
Project/Area Number |
60030076
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
茅原 一之 明治大学, 工, 助教授 (80111566)
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Keywords | 富栄養化防止 / 閉鎖性水域 / 集水域 / 受水域 / 対話型モデル / 水質汚濁 / 水質改善法 / 水質予測 |
Research Abstract |
研究の方法 閉鎖性水域を、集水域と受水域及び各種水質汚濁抑制方法に分けてその各々の構造の解析を行なう。その解析に基づいて、閉鎖性水域の全システムのモデルを構築する。今年度は以下のステップで、研究を進めた。1. 閉鎖性水域を構成する集水域・受水域についてその構造を考察し、考慮の必要な素過程の検索を行なう。2. 全体的なシステムフローシートを作成し、各システムブロックでの入出力の社会的・自然科学的特性パラメータへの依存性を明らかにする。 3. 集水域と、それに付属する水処理法と受水域とその水質改善処理法を含む集水域と受水域の対話型式の普遍的シミュレーションプログラムをプロセス・システム工学的手法で作成する。 研究の結果 1.集水域についてはまず発生負荷の総量とその内容を明確にする必要がある。その為には、汚濁物質(COD,窒素,リン)の各種の発生源からの発生の原単位とその数量(人数,頭数,面積等)をほぼ行政区域に対応する流域ブロック毎にいかにして正確に調査するかを検討する必要がある。ここでは、ダム湖である相模湖・津久井湖と富士山を頂点とするその流域について、実際に調査、観測を行ない、水量、汚濁負荷発生量の推測方法を検討した。集水域と受水域を結ぶ河川での自浄等による負荷量変化のとらえ方、流出率、流達率マトリックスについては検討中である。2.受水域の水質予測の為には、Voll enweiderモデルより、一段精度の高い生態系モデルの作成を試みた。本モデルは湖沼を完全混合槽と考え、モデル構成要素は、富栄養化現象を記述する為に最小限必要と考えられるものとした。本モデルは購入したパソコン及び固定ディスクで、運用可能であった。3.集水域の構造把握と受水域のモデル化に基づいて、集水域・受水域の対話型モデルを現在作成中である。本モデルは、種々の入力による水質予測、各発生負荷の影響度評価、各種汚濁負荷軽減対策の経済評価を含む。
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