1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60030087
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
秋元 肇 国立公害研究所, その他, 研究員 (50101043)
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Keywords | 光化学大気汚染 / オゾン反応 / オゾニド / 硫黄酸化物 / 窒素酸化物 / 亜硝酸エステル / アルコール / チオフェノキシラジカル / 不均一反応過程 / テルペン |
Research Abstract |
3年間にわたる班内協力研究により次の成果が得られた。早朝の汚染大気中にかなり高濃度(数ppb)の亜硝酸エステルが生成していることが見出され、その生成機構としてアルコールとN【O_2】の暗反応についての検討がなされた。メタノールとN【O_2】の反応について均一反応速度定数および種々の表面上での不均一反応速度定数が測定され、特に不均一反応が実際の汚染大気濃度で亜硝酸エステル生成に寄与している可能性が示唆された。またNOxやS【O_2】の酸化反応に対しても不均一光反応が起こり得ることが示された。他方本研究でオゾンと芳香族炭化水素の反応で生成することが見出された一次オゾニド、レーザー誘起けい光法で直接検出のなされた【S_2】Oなどについて分子軌道理論計算による検討がなされ、実験結果に対する理論面からの解明がなされた。 その他各分担課題毎に次の成果が得られた。1.オゾン反応中間体、C【H_2】OOとS【O_2】の反応は付加体を経て進行することが明らかとなった。2.アセナフチン誘導体とオゾンの反応では二次オゾニドが単離され、前駆体である一次オゾニドは-70℃でも不安定であることがわかった。3.S【O_2】,NOの酸化反応は共にTi【O_2】のような光触媒存在下で著しく促進され、S【O(^(2+)_3)】→S【O(^(2-)_4)】,N【O(^-_2)】→N【O(^-_3)】の反応についても各種金属酸化物による反応促進効果がみられた。4.チオフェノキシラジカルのレーザー誘起螢光スペクトルが得られ、これを利用して【O_2】,NOとの反応速度定数が測定された。5.OH+OH→【H_2】O+O(【^1D】),O(【^3P】)の反応経路がab initio計算で求められ、実験結果とよい一致がみられた。6.低圧熱分解反応装置により亜硝酸メチルの均一、不均一熱分解反応が検討された。7.アルコールとN【O_2】の不均一反応を利用した大気中徴量アルコールの定量方法が開発された。8.N【O_2】と16種の共役二重結合化合物の反応速度定数が決定され、これらの化合物は同数の炭素数をもつモノオレフィンに対して速度定数が【10^3】-【10^4】程度大きいことがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Environ.Sci.Technol.19-3. (1985)
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[Publications] 大気汚染研究. 20-1. (1985)
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[Publications] Environ.Sci.Technol. 19-10. (1985)
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[Publications] Int.J.Chem.Kinet.18-1. (1986)
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[Publications] Environ.Sci.Technol.20-4. (1986)