1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60035024
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
河端 政一 信州大学, 理, 教授 (00046179)
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Keywords | 侵入種 / 生態系攪乱 / 木崎湖 / アナベナ / コカナダモ / ブラックバス / ソウギョ / 物質循環 / 食物連鎖 |
Research Abstract |
主な研究場所としている木崎湖(長野県大町市北部,仁科三湖の1つ)では、1979年以後のコカナダモの侵入と急激な繁茂、その対策としてのソウギョの放流、さらにブラックバスの侵入と繁殖と、急激な生物群集の攪乱、変動がみられる。本研究はこのような新たな生物種の侵入による群集の変動と、それにともなう物質循環の変化を追跡し、生物要因の役割を評価することを目的としている。 沖帯では、水質、プランクトンの定期観測を行なった。植物プランクトンでは珪藻が優古しており、Fragilaria,Asterionellaなどが多く、6月にはクロロフィル量として最大26μg/lになった。1981年、82年のみられたAnabaenaの大発生はなかった。動物プランクトンの現存量は、1982、83年のレベルとほぼ等しく、ブラックバスの増殖、ワカサギの減少などとの相互関係について検討した。 沿岸帯では、コカナダモがマット状に生育しており、在来の植生を圧倒している。このコカナダモ帯には水生動物が多く、とくにトンボ幼虫、ユスリカ幼虫、巻貝類などが多い。一方、水草のない所では水生動物相は貧弱であり、生息場所としての重要性が明らかになった。しかし、コカナダモ帯ではブラックバス、ヨンノボリ以外に魚類な少なく、前記の水生昆虫の餌としての利用状態はまび不明である。近年、大増殖したブラックバスについては、その魚食性のために、他の魚類への影響が考えられるが、胃内容物からは必ずしも、魚を捕食している個体は多くないことがわかった。 以上のことから、本年度は生物種の相互関係については、低次の生物についてみる場合でも、魚類を含めた食物連鎖が考慮されなくてはならないことを明らかにし、現在も検討をつづけている。また、コカナダモ帯についても、魚類の産卵場所および稚臭の生育場所として役立つているかどうかを検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 日本陸水学会50回大会講演要旨集. (1985)
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[Publications] 日本陸水学会甲信越支部会会報. 10. (1985)
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[Publications] 日本陸水学会50回大会講演要旨集. (1985)