1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60035049
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鹿川 修一 長崎大学, 工, 教授 (80037746)
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Keywords | 一酸化窒素 / 接触分解 / ゼオライト / ZSM-5 / 銅イオン |
Research Abstract |
これまでの研究で、【Cu^(2+)】交換ゼオライトがNOの接触分解反応に定常活性を示すこと、母ゼオライトの活性序列がZSM-5>>M>Y>Xであることを明らかにした。更に反応機構に関連して、【Cu^+】がNO分解の活性点であること、ゼオライト構造中では【Cu^+】が特異的に安定化され、このためNO分解の定常活性が発現することを提案した。本年度はZSM-5を中心に、Si【O_2】/【Al_2】【O_3】比および調製法の異なる種々のゼオライトについて【Cu^(2+)】交換体のNO分解活性を調べ、活性を支配する化学的および構造的因子を検討すると共に、IR等によりNO分解機構を究明した。 【Cu^(2+)】交換ZSM-5は反応温度773-873Kで最高活性を示し、Si【O_2】/【Al_2】【O_3】比50、【Cu^(2+)】交換率73%、接触時間1g・s・【Cm^(-3)】でNOの90%以上が除去された。MおよびZSM-5中の銅イオン1個あたりのNO分解活性は、TPAを用いてつくられたZSM-5を除いて、Si【O_2】/【Al_2】【O_3】比に対してほぼ直線的に増大した。これよりゼオライト中の銅イオンの活性はゼオライトの結晶構造によらず、Si【O_2】/【Al_2】【O_3】比によって決まることがわかった。ZSM-5上のNOの吸着状態、反応挙動をIR、TPD、同位体トレーサ法で検討した結果、NOの吸着状態には【NO^-】(single型およびtwin型)、【NO^+】等があること、【NO^-】および【NO^+】の吸着点がそれぞれ【Cu^+】および【Cu^(2+)】であること、【NO^-】種は室温で2次速度式に従って減少し、その反応次数が流通反応におけるNOの反応次数2・3次とよく一致すること、等がわかった。これらの結果より【Cu^(2+)】交換ゼオライト上のNOの接触分解機構を次のように結論した。(1)【Cu^(2+)】交換ゼオライトでは高温加熱により酸素の脱離を伴って【Cu^(2+)】の一部が【Cu^+】に還元される。(2)NOは【Cu^+】上に吸着して【Cu^(2+)】-【NO^-】(singleまたはtwin)を形成し、その2分子反応によりNOの分解が進行する。(3)律速段階は表面反応過程である。 今後、【Cu^+】によるイオン交換法を検討し、触媒活性を更に向上させることを計る。耐【SO_x】性の付与についても検討する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 日本化学会第51春季年会講演予稿集. 2Y32. (1985)
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[Publications] 化学工学協会第19回秋季大会講演要旨集. SJ113. (1985)
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[Publications] 第2回日中米不均一触媒シンポジウム要旨集. B13. (1985)
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[Publications] 第2回日中米不均一触媒シンポジウム要旨集. B13. (1985)第7回国際ゼオライト会議プロシーディング.