1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60035058
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
福岡 正巳 東京理科大学, 理工, 教授 (50011143)
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Keywords | トンネル湧水 / 渇水現象 / 水収支 |
Research Abstract |
本研究は昭和55年度に皇居外苑に中型の蒸発散実験装置を設計設置し、その後昭和56年度に大型の地面蒸発実験装置3基を東京理科大学土木屋外実験場に設置した。以来両実験装置により研究を進めてきたが、本年度からは後者の実験計測を主に併せて前者のこれまでのデーターの継續解析作業を行った。しかし後者の実験は自動計測設備ならびに気象計測機器類がいまひとつ完備できなかったため、手動計測法に依存せざるを得なかった。本年度までの成果概要は以下の通りである。 1. 過去5年間の地面蒸発散量と降水量、蒸発散量の年間総量は約650mm〜850mmで、年間降水量は約900〜1500mmであった。これより地面蒸発散量は降水量の55〜70%を占めている。 2. 地面蒸発の年変化は、冬期1〜2月が最低(0.8mm/day)となり夏期8月に最高(3.8mm/day)に達して秋冬期は滅少するが、梅雨期6月の蒸発散量は春秋期より低く約2.5mm/dayである。 3. 地面蒸発散量と気温の関係は非常に良好な比例関係にあることが定量的に確かめられた。 4. 従来からのペンマン、ソンスウエート両推定法は、これまでの実測値と比較すると、長期的(年単位)には非常に近似するが、短期(月単位)では実測値とかなり異り両者の推定法は適用できない。 5. 地盤の地被状態と蒸発散量の関係は、芝地は裸地の60%、樹木地は裸地の110%の蒸発散値を示すことが確かめられた。地盤面が芝草等で覆われている状態が蒸発散量は最もかく、樹木地の蒸発散量が最も多いことを把握した。 今後大型実験装置をさらに改良・完備し、人工降水実験等も混えて長期的な観測とより多くのデーターを集積して工学的な蒸発散と水収支の関係を研究する必要がある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 第19回土質工学研究発表会(昭和59年度講演集). (1984)
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[Publications] 第16回日本道路会議 (一般論文集). (1985)
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[Publications] 第40回土木学会年次学術講演会(第【III】部門). (1985)