1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60040046
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柴田 俊一 京都大学, 原子炉実験, 教授 (90027392)
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Keywords | トリウムサイクル / トリウム燃料 / 核特性 / 中性子断面積 / 臨界実験 / 炉設計 / 核データ / 実験解析 |
Research Abstract |
トリウム炉の設計のための基礎的研究を行うとともに、実際にトリウム炉の設計研究を行って、その特性を明らかにした。主な成果を以下に個条書きする。 1.新しいモデルによるトリウム-232の非弾性散乱断面積の解析を行った結果、本班が以前に得た実験値との良い一致が得られた。 2.トリウム炉関連核種の核分裂断面積測定の一環として、ウラン-236などについて新しい結果を得た。 3.ウラン-233の核分裂における核分裂片の質量数に依存した即発中性子数の測定を行った。 4.トリウム-232,ウラン-233の核分裂崩壊熱測定とその解析を終了し、これらのデータを設計用に整備した。 5.トリウム-232の中性子共鳴パラメータを実測した。その結果を従来値や核データベースの値と比較検討し、今後設計に用いるべき値を提唱した。 6.トリウム板などの中性子透過実験によってその群定数の値を積分的に評価する方法を提案し、実際に実験を行った。 7.以前に引き続き京大臨界実験装置KUCAにトリウムを装荷する実験を行った。今年度は特にトリウム板と濃縮ウラン燃料板を交互に入れた炉心を組んだ炉心について臨界実験とその解析を行った。また、球形の陽子反跳比例計数管を用いることによって、炉心内の高速中性子スペクトルの測定を行い、理論計算値との比較をした。 8.近畿大学炉UTR-KINKIの中央部にトリウム板を装荷した実験と解析を行い、良い一致を得た。 9.トリウム炉の一つとして、溶融塩炉をとり上げその非定常伝熱特性に関する解析を行った。また、その動特性についても解析し、遅発中性子の効果を調べた。 10.もう一つの有望な炉型のトリウム炉として、固体燃料軽水炉をとり上げ、その核特性に対する核データの感度係数を計算する手法を開発し、これを実際に用いて核データの必要精度を示した。 11.ペブルベッド型炉の核特性と燃料管理についても解析した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] radiation effects. 50-1.
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[Publications] Tech.Rep.Tohoku Univ.22. (1985)
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[Publications] Annu.Rep.Kinki Univ.(1985)