1985 Fiscal Year Annual Research Report
ポルフィリンおよび関連化合物による光エネルギー変換
Project/Area Number |
60040053
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山下 和男 広島大学, 総科, 助教授 (40034566)
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Keywords | 有機太陽電池 / ポルフィリン / 有機-有機接合 / 有機半導体 / 光電変換 / 量子効率 / 共同光増感効果 / 光化学反応系【II】 |
Research Abstract |
1,5,10,15,20-テトラ(4-キノリル)ポルフィリンを合成して、その電気物性を測定した結果、6-キノリル基および6-キノキザリル基を導入したポルフィリンに比べて、同ポルフィリンは著しく強いn性を示すことがわかった。 2.有機p-n接合型光電極の機能発現機構の解明。ITO/亜鉛フタロシアニン(シヨットキ型)とITO/ZnPc/5,10,15,20-(4-ピリジル)ポルフィリン(TPyP)(p-n接合型)の両電極を用いて得られた光電流アクションの電極電位依存性、光学的フィルター効果、アクションスペクトルにおよぼすポルフィリン層の膜厚の影響などから前者についてはZnPc/溶液界面が整流接触になっており、後者の場合には顕著な共同光増感効果(Photovoltaic Spectral Cosensitization Effect)が現れることを合わせ考慮すると、ZnPc/TPyPのP-n界面が光活性部であると言える。また、特に強調されることはZnPc/TPyP(P-n)電極の光電流は、ITO/ZnPc電極のそれよりも一桁あるいは、二桁大きいことである。 3.有機P-Pイソ接合型光電極の機能発現機構の解明。ITO/5,50,15,20-テトラポルフィリナト亜鉛(ZnTPP)電極の場合、ZnTPP膜が厚いとZnTPP膜の電解質溶液に接している側に生じる空乏層がカソード光電流に寄与する。一方、ZnPc/ZnTPP界面のZnPc相にも空乏層の形成が考えられる。しかし、そこで光誘起される電子はZnTPP、の伝導体のエッジが上に位置するためにZnTPP相へは移動しにくい状況にある。けれどもZnTPP層が薄いときには光誘起された電子は容易にトンネル効果で溶液側に達し、そこでアクセプターを還元することが可能であろう。 4.水分解機能タンパク質群の同定と正電荷蓄積過程の解析を行った。3種類の表充性タンパク質(分子量17,23,34kDa)は酵素系の発現に必要な成分であり、【Cl^-】と共に【S_2】状態に深く関与している。
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[Publications] Journal of Electroanalytical Chemistry and Interfacial Electrochemistry. 186. .313-316 (1985)
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[Publications] Bulletin of the Chemical Society of Japan. 58. .1761-1767 (1985)
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[Publications] Journal of Physical Chemistry. 89. .5325-5327 (1985)