1985 Fiscal Year Annual Research Report
(O/W)/O乳化型液膜による炭化水素混合物の分離に関する研究
Project/Area Number |
60045040
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川崎 順二郎 東京工業大学, 工, 助教授 (40016556)
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Keywords | 液膜分離 / 乳化型液膜 / (O / W) / O型液膜 / 複エマルション / 透過 |
Research Abstract |
(1)多成分系炭化水素の分離:改質ガソリン,ナフサならびに燈油などから主として芳香族成分を、外部油相とした溶媒(イソ・オクタン)中に選択的に透過させる回分実験を行った。改質ガソリンならびにナフサ中の芳香族成分は比較的短時間のうちに速かに透過した。燈油中の芳香族成分はその分子量が大きく、液膜相に対する溶解度が小さいため、透過速度はやや低下した。これらの結果より、本分離法が多成分炭化水素からの芳香族分離法として十分適用性を持つことが示され、また実用的な透過速度の増大法および機械的取り込みの抑制法の開発が必要であることが示唆された。 (2)透過速度の増大ならびに取り込み抑制方法の開発:3および5成分系モデル炭化水素混合物中に含まれる芳香族成分を外部油相とした溶媒(イソ・オクタン)中に選択的に透過させる回分操作において、溶媒中に親油性乳化剤を添加することによって、(O/W)滴が微粒化され、これにともない透過速度が著しく増大するとともに取り込み速度が低下することが見出された。 (3)スプレー塔による連続分離:スプレー塔内において連続相(イソ・オクタン)と分散相(O/Wエマルション)を向流接触させ、内部油本中のベンゼン-n-ヘキサン系モデル混合物からベンゼンを溶媒中に選択的に透過させる実験を行った。ベンゼンの収率は分散相流量の増大とともに増加し、最大20%を示した。また、分離の選択度は分散相流量の増大とともに低下したが、10〜20であった。これらの結果より、液膜分離法を塔式装置によって連続的に行い得ることが示された。 (4)エネルギー評価:ベンゼン-n-ヘキサン系モデル混合物の分離を例として、本分離法ならびに既存の抽出法における所要溶媒量を概算して両者を比較したところ、本分離法における所要溶媒量が小さく、エネルギー的に有利になる可能性が示された。
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[Publications] K.トウカ石油学会誌.
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[Publications] 化学工学協会第51年会研究発表講演要旨集. K303. (1986)
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[Publications] 化学工学協会第51年会研究発表講演要旨集. K310. (1986)
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[Publications] 化学工学協会第51年会研究発表講演要旨集. K312. (1986)