1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60045073
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 龍象 大阪大学, 基礎工, 教授 (10025869)
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Keywords | 短絡損失 / 電解液 / 循環混合型電解槽 / 定電力操作 / 最適操作 / エネルギ効率 / サイクル操作 / 電流密度 / 循環量 / 時間的変化 |
Research Abstract |
1.短絡損失の実験的評価:短絡電流を理論的に求めることは困難で実験的評価に待たねばならない。このため4連ヘッダーのチューブポンプを用い、各電解室の濃度および温度をそれぞれ均一にした電解液循環混合型電解槽を作製し、短絡電流を流すため形状の異なる17種のサイフォンを用い、一定電流の条件で実験した。 全電流の増加に伴って短絡電流は増加するが直線的ではなく、短絡損失は逆に低下する。サイフォン脚部の断面積の影響は大きく、橋部断面積の影響は小さい。測定値より導電率を求めた結果、溶液のモル伝導率より推算した値とほぼ一致した。 2.定電力操作について:レドックス・フロー電池を外部電力系統と接続する時、充・放電ともに一定電力で操作することが要請される。充・放電電力が指定された時、循環量を決めれば、電池の最適操作を決定するプログラムを構成することができる。充・放電時間を考慮したエネルギ効率を定義し、充電終期では電流密度を小さく、放電終期には電流密度を高くする必要がある。これらを考慮して電池システムを解析し、電池のスケール[電極面積,積槽数,電解液貯蔵タンクの容量];要請される条件[充・放電電力];操作変数[電流密度,レドックス・イオン濃度,充・放電深度,循環量(電解液流量,ポンプの所要動力)]等が与えられた時、充・放電サイクルに対するシステムのエネルギ効率を評価する関係を導いた。この結果充電過程では電流密度と循環量を大きくし放電過程では逆に小さくする事が有利である事が示される。しかし充電末期において槽電圧が急激に増大しこれを低減するため充電後期において低循環量の操作に切り替る事が考えられるがサイクル操作においては循環量を任意に設定する事はできない。解析結果に基づき充・放電過程において直接の操作変数である電流密度と循環量をどのように時間的変化させればよいかが決定できる。
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Research Products
(2 results)