1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60045098
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田中 俊六 東海大学, 工, 教授 (00055998)
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Keywords | 間欠吸着式 / 密閉 / 真空ガラス管 / 成績係数 / 再生 / 太陽熱 / 集熱・冷却器 / シリカゲル |
Research Abstract |
前年度までの集熱冷却器では再生/吸着部と凝縮/蒸発部が分離されており、構成が複雑、圧力損失が大きい、凝縮/蒸発部が集熱に対してデッドスペースとなる等の欠点があったが本年度は、真空ガラス管内部の選択吸収膜処理した内筒周辺部に吸着剤を配置し、一定の中空層をおいて円筒中心部に冷却管と含水体(凝縮/蒸発部)を同心円状に配置することで上記欠点を解消し、装置を簡素化することにした。実験では内筒をガラス筒とし(100mmφ,1,000mmL)外表面をアルミ製選択吸収フォイルで被覆した。内筒周辺部には平均1mmφのシリカゲルを3,099g充填し、排気ののち凝縮/蒸発部の含水体に重量比 20%の蒸留水を注入した。この内筒を断熱箱に入れて照射日射量790kcal/【m^2】・hの模擬太陽装置下に設置し、再生時、凝縮部に外部から30℃の冷却水を循環させ、吸着時は円筒外部を約25℃で空冷し、蒸発部での冷水の温度、冷却熱量を測定した。再生を8時間、吸着を10時間させたとき、再生終了時シリカゲル中心温度は約90℃前後であり、1サイクルの蒸発部の冷却熱量を日射量で除した日射基準の成績係数は冷水出口で温度が平均13.3℃のとき0.177,9.2℃のとき 0.110であった。 また、シリカゲル1kg当りの冷却出力は43.3kcal/kg,26.8kcal/kgであり、これから推定される吸・脱着時の有効吸着率差は、7.34%,4.55%であり、理論値よりかなり小さく再生時の温度分布の不均一さに一因があるものと思われた。 実験によって得られた成績係数は太陽熱集熱器と吸収冷凍器による在来方式にほぼ匹敵する。金属製内筒による試作集熱・冷却器では、はじめ首部での集熱外筒金属と冷却管接触部の熱伝導が大きくて再生温度が上昇せず、十分な性能が得られなかったが、この部分をベローで遮熱することにより性能が改善できた。
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Research Products
(1 results)