1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60065005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 彦一 東京大学, 理, 教授 (80011477)
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Keywords | 分裂装置 / 微小管 / 微小管形成中心 / 細胞分裂 / 染色体運動 / 分裂シグナル / 増殖因子受容体 / 細胞骨格 |
Research Abstract |
【◯!1】.分裂装置形成中心の構成蛋白とその機能:イ)分裂装置形成中心は中心子をとり囲む直径90nmの単位顆粒(微小管形成顆粒、MTOG、と命名)の集合体で、この顆粒から分裂装置の紡鍾体と星状体の骨格を形成する数千本の微小管が成長する。ロ)単離分裂装置から中心体を分離しチューブリンを添加すると中心体から微小管が伸び、人爲的に星状体を形成させることができる。ハ)中心体から更に分離したMTOGにチューブリンを添加すると、MTOGから微小管が放射状に成長して小星状体が形成される。ニ)MTOGは分子量51,000の蛋白を主に数種の蛋白成分からなる。この蛋白成分はMTOGに自己集合し、微小管形成能を保持する 【◯!2】.染色体運動機構:有系分裂期のウニ卵から、DMSO/グリセロール/NP-40法を用いて分裂装置を単離し、invitroでの染色体の両極への移動のモデル系を更に開発した。その結果、臨界濃度前後のチューブリン、CAMP、ATPの存在下で、リン蛋白脱リン酸化酵素の阻害剤を添加すると、このモデル系による染色体運動の再現性が著るしく向上することが明らかになった。【◯!3】.分裂シグナルの解析:シグナルの表層への伝達前後に細胞表層を単離し、表層内の蛋白成分の検出を行ったところ、シグナル伝達完了後に細胞表層から失われる細胞骨格系蛋白が発見された。この蛋白の同定と解析が進行中である。 【◯!4】細胞増殖の引き金機構:EGF受容体、インスリン受容体、srcキナーゼを精製し、それらの基質蛋白質の検索を行った。イ)マイクロフィラメント関連蛋白では、細胞膜の裏打ち蛋白であるフォドリンが上記3種のチロシンキナーゼに共通して良い基質となる。ロ)微小管関連蛋白では、微小管結合蛋白、特にMAP2が増殖因子受容体の良い基質蛋白となるが、srcキナーゼではあまりリン酸化されない。ハ)EGF受容体とインスリン受容体はその基質特異性が類似し、srcキナーゼは異ることが判明した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Biochem.Biophys.Res.Commun.127-2. (1985)
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[Publications] J.Biol.Chem.260-19. (1985)
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[Publications] J.Cell Biol.100-4. (1985)
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[Publications] FEBS Lett.185-2. (1985)
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[Publications] Cell Struct.d Funct.10. (1985)