1987 Fiscal Year Annual Research Report
Bリンパ球増殖・分化機構の解明とその異常制御に関する研究
Project/Area Number |
60065006
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岸本 忠三 大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (10093402)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
審良 静男 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (50192919)
菊田 仁 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (80161412)
平野 俊夫 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (40136718)
|
Keywords | BiF2 / IL-6 / Bリンパ球分化因子 / 肝細胞刺激因子 / ミエローマ増殖因子 / 抗IL6抗体 / Fcrレセプター / CD23 |
Research Abstract |
I.1986年Bリンパ球分化因子(BSF_2)をうコ-ドするcDNAがクロ-ニングされた。その結果明らかになったことは、BSF_2は単にBリンパ球に抗体産を誘導する作用をもつのみでなく、肝細胞刺激因子(HSF)として急性期反応を調節したり、ミエロ-マ増殖因子(MGF)としてミエロ-マの発生にかかわる等幅広い生物学的機能をもつことが明らかになり現在この分子はインタ-ロイキン6(IL-6)と呼ばれている。クロ-ン化されたcDNAを用いてリコンビナントIL-6を作製し、これにより抗IL-6抗体を作り、これらを用いて次のことを明らかにした。1.抗IL-6抗体はマイト-ゲンで誘導されるImmunoglobulinの産生を完全にブロックする。即ちIL-6はBリンパ球を作るために必須である。2.IL-6は抗ウイルス活性はない。3.IL-6レセプタ-は活性化Bリンパ球のみならずTリンパ球、単球系細胞、肝細胞株、ミエロ-マ細胞株にも出現し、その数は10^210^3/cellである。高親知性(10^<-11>kd)と低親性(10^<-9>kd)がある。4.染色体遺伝子をクロ-ニング〓IL-6は5つのエクソンと4つのイントロンから成ること、構成はG-CSFの遺伝子とホモロジ-がある。5.ミエロ-マ細胞はIL-6を産生し、IL-6に反応し増殖が促進され、抗IL-6によりその増殖が抑えられること、即ちIL-6はミエロ-マの自己増殖因子である。 II.Fcεレセプター(CD23)に関して次の結果を得た. 1.FcεRcDNAのC端半分にIL-6のシグナルペプチドをコードするDNAを結合しCO57で発現させリコンビナント可受容性FcεR(sFcεR)を作製した. このsFcεRが好酸球へのIgEの結合をブロックすることをロゼット法で証明した. 2.Bリンパ球のみでなく好酸球, マクロファーシ, Tリンパ球にもFcεRは発現するが, 細胞内部分に一部構造の違いがあることが, cDNAのシークエンスを比較することにより明らかとなった.
|
-
[Publications] Kishimoto, T.: Ann. Rev. Immunol.6. 485-512 (1988)
-
[Publications] Kawano, M.: Nature. 332. 83-85 (1988)
-
[Publications] Yasukawa, K.: EMBO J.6. 2939-2945 (1987)
-
[Publications] Taga, T.: J. Exp. Med.166. 967-981 (1987)
-
[Publications] Muraguchi, A.: J. Exp. Med.