1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60102003
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池上 詢 京都大学, 工, 教授 (70025914)
|
Keywords | 拡散燃焼 / モデリング / 乱流と燃焼の関連 / ディーゼル燃焼 / 噴霧 / 噴霧燃焼 / すす |
Research Abstract |
拡散燃焼は多くの熱機関や燃焼装置の主過程であって、実用上きわめて重要な現象であるが、その複雑さのためまだ未知の点が多い。本研究では、定常拡散燃焼に関する知見を集めて合理的なモデルを確立するとともに、ディーゼル機関にみられる非定常拡散燃焼に係わる諸過程とそのモデリングの手法の確立をめざしている。本年度に実施した研究内容とその主な成果はおよそ次のとおりである。 定常拡散燃焼については、反応を伴う乱流平板境界層における2方向速度の3重相関までの乱流統計量を求め、その特性とモデル化の可能性を示した。また、噴流拡散火炎内の乱れ生成が火炎の存在によって遅れること、ノズル出口の乱れは分子粘性が直接乱れを消散させると考えると表現できる、などが示され、さらに同軸層流拡散火炎の放射特性を記述するモデルが導かれるとともに、火炎内のすす粒子の生成と挙動を移動速度論的立場からモデリングされた。そのほか、メタン-空気同軸拡散火炎に化学動力学を考慮したモデルが提案され、反応経路が予測された。 非定常拡散燃焼については、圧縮点火機関のシリンダ内ガス流動が3次元数値シミュレーションによる予測されるようになった。また、燃焼室形状と乱流特性量との関連およびそれらの燃焼特性に及ぼす影響が示されたほか、確率過程論モデルによるディーゼル燃焼の予測方法が整備された。加えて、レーザホモダイン法による乱れの直接測定法が開発された。 噴霧および噴霧燃焼については、壁面に衝突する非定常噴流の挙動、空気過流中の噴霧の蒸発および拡散の状況、などが明らかにされたほか、光学的方法により噴霧内の空気過剰率分布が推定された。さらに、超臨界条件下にある噴霧の滴群の蒸発および燃焼を記述する理論モデルが導かれた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 日本機械学会論文集(B編). 51-471. (1985)
-
[Publications] 第5回内燃機関合同シンポジウム論文集. (1985)
-
[Publications] Proceedings of COMODIA-85. (1985)
-
[Publications] 第23回燃焼シンポジウム前刷集. (1985)