1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60105003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柳島 直彦 名古屋大学, 理, 教授 (30022742)
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Keywords | 構造遺伝子 / 卵成熟促進因子 / 微小管 / ジベレリン / 細胞間接着分子 / モノクローナル抗体 / 視神経線維 / 視中枢 |
Research Abstract |
本年度は最終年度であるので、なるだけ結論的な成果を出すことと、今後の問題点を明らかにすることに留意して研究を進めた。 1.酵母において、α型特異的に性的凝集能を支配する遺伝子が第10番染色体上に存在することを明らかにし、 この遺伝子がα型凝集物質の構造遺伝子である可能性を示した。また、この遺伝子の活性を調節する遺伝子を発見した。 2.細胞性粘菌において、細胞接触なしに細胞分化を誘導する因子を発見し、この因子の精製に成功した。 3.ヒトデの濾胞層崩壊の誘起には核の存在が不要であることを発見し、卵成熟促進因子の作用部位は細胞質中にあることを示した。 4.複合ホヤの血漿中の非癒合反応誘導因子の生化学的研究を続行したが、結論を出すことは出來なかった。 5.高等植物の組織内細胞で微小管が軸と直角方向にずれているのは力学的な細胞間相互作用によることを発見した、ジベレリンはこの相互作用から細胞を解放する作用があることを示した。 6.エンドウの茎生長において、ジベレリンが子葉から茎への糖の転流を促進し、浸透ポテンシャルを低くして、茎生長促進を行う。 7.マウスやニワトリを用い、モノクローナル抗体法により、ア種の【Ca^(++)】依存性細胞間接着分子を同定した、これらの中には、発生初期から発現しているもの、原腸陥入期に現われはじめるものがある。 8.アフリカツメガエルにおいて、視中枢と強く結合するモノクローナルな抗体(A5)を用い、次の成果を得た。この抗体の認識する分子は細胞表面蛋白値である。この分子は視神経線維が脳内の視中枢を選択的に識別して、これと結合する際に最も重要な役割を果たす。
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[Publications] Mol.Gen.Genet.201-3. (1985)
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[Publications] Current Genetics. 9-3. (1985)
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[Publications] Current Genetics. 10-5. (1986)
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[Publications] Microbial.Sciences. 3-2. (1986)