1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60114002
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 旺 名古屋大学, 理, 教授 (50022504)
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Keywords | プロテオグリカン / フィブロネクチン / ビトロネクチン / 細胞間マトリックス / コラーゲン |
Research Abstract |
1.マトリックス高分子群の生合成とプロセシング: 基底膜を合成する上皮細胞由来の腫瘍(EHSザルコーマ)を用いてプロテオヘパラン硫酸の分離構造決定を行い、分子量35万以上の大きい分子と分子量10万の小さい分子の2種類の存在を明らかにし、前者は後者の生合成前駆体であることを示した(鈴木)。6-アミノニコチン酸アミドによって鶏胚に短肢症を起させ、脚の軟骨のプロテオグリカンの構造変化をしらべた。 コンドロイチン硫酸の硫酸化度の低下と、ケラタン硫酸に対する相対量の低下の著るしいことが見出された(森)。ヒト大動脈壁のタンパク質分子間に形成されるヒスチジノアラニン架橋はコラーゲンやエラスチンではなく加令と関係のある別のタンパク質であることをつきとめた(藤本)。 2.マトリックス高分子群の相互認識、特異会合反応: 胎盤と羊水のフィブロネクチンが血漿のものと異なる会合特性をもつことを明らかにし、胎盤繊毛組織の形成に役割を果す独自の成分であることを示唆した(伊勢村)。 細胞接着性糖タンパク質ビトロネクチンの生化学性状を研究し、ビトロネクチンのヘパリン結合性はビトロネクチンの高次構造に依存することを見いだした(林)。ラット腦の分化過程に伴うグリコサミノグリカンとポリシアル酸含有成分の変動を解析した(大平)。 3.炎症、催奇形性薬投与に伴うマトリックス分子の動態: 炎症下における組織細胞のコラーゲン代謝を好中球存在下でしらべた結果、この因子は組織細胞の細胞増殖およびコラゲナーゼ産生を促進させる一方、コラーゲン合成を50% 以上抑制するものであることを明らかにした。 この好中球因子の作用をうける細胞は滑膜細胞、軟骨細胞、線維芽細胞であった(永井)。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] J.Biological.Chem.260-13. (1985)
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[Publications] Biochemical.Journal. 227-1. (1985)
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[Publications] Biochemical Journal. 229-3. (1985)