1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60114009
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
矢原 一郎 (財)東京都臨床医学総合研究所, その他, 研究員 (60109957)
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Keywords | 細胞内輸送 / 細胞骨格 / 軸索輸送 / アクチン / ミオシン / アクチン調節タンパク質 |
Research Abstract |
細胞内において、タンパク質を合成部位から機能を発揮する部位まで定められた道筋を通って運搬することは、その正常な機能の発現にとって極めて重要である。このダイナミックな過程を支配する細胞骨格系を中心とする機構を様々な角度から解析した。 人工アクトミオシン再構成系を用いて、細胞内運搬の動力の発生が、基本的には協調的、非線形的反応であることを明らかにした。非筋細胞の動力装置を支配する様々な細胞骨格調節タンパク質、プロフィリン、フラグミン、コフィリン、カルデスモン、カルスペクチン等を単離し、それらの作用機作を明らかにした。カルシウム・イオン依存性、アクチン繊維に対する結合様式、その他従属因子などについて、新しい知見を得た。また、特異抗体を作成し、動力発生にともなうこれらのタンパク質の細胞内分布の変化を、蛍光抗体法によって明らかにした。血小板放出反応に関連するミオシンL鎖のリン酸化やその他の細胞骨格タンパク質のリン酸化の反応系を再構成し、それらに関与するタンパク質キナーゼの種類を明らかにした。軸索輸送において、細胞膜成分である糖脂質や修飾糖鎖前駆体の輸送方式を新たに見出した。また、軸索におけるミクロチューブルと中間径繊維をクロスリンクする新しいタンパク質を同定した。細胞をDMSO、サイトカラシンD、あるいは熱ショック処理すると、細胞質のアクチンが核に移行し、条件によってはアクチンロッドに変化する反応を解析した。その結果、アクチンロッドはアクチン繊維によって形成されるにもかかわらず、ファロイジンと結合しないことを見出した。これは、アクチン外の未同定のタンパク質が結合部位をブロックしていることを示唆する。筋弾性タンパク質コネクチンはその非可溶的性質から、生合成後のプロセシングを受けているはずであるが、コネクチンの部分的分解物を単離し、それらの分子的性質を明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Exp.Cell Res.164-2. (1986)
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[Publications] J.Biol.Chem.260-8. (1985)
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[Publications] J.Cell Biol.101-4. (1985)
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[Publications] Proc.Natl.Acad.Sci.US. 82-15. (1985)
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[Publications] J.Biochem.97-5. (1985)