1985 Fiscal Year Annual Research Report
アフィニティラベルとモノクローナル抗体による昆虫糖受容初期過程の解明
Project/Area Number |
60115002
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
嶋田 一郎 東北大学, 教養, 助教授 (50108429)
|
Keywords | 味覚 / 受容部位 / 糖受容初期過程 / アフィニティラベル / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
センチニクバエの唇弁糖受容器には、4種の受容部位(P部位、F部位、R(T)部位、Ar部位)が存在する。まず、今までで明らかになった各受容部位の分子特性に基ずいてアフィニティラベル剤を合成し、次いで、味細胞粗分画を抗原として受容分子のモノクローナル抗体を調製する。この二方法を用いて、ハエの味覚の糖受容初期過程の分子機構を解明する。 1.アフィニティラベル剤 各受容部位に対応してラベル剤を合成した。R部位に対しては、N-ブロモアセチル-L-バリンとN-クロロアセチル-L-バリンを合成し、さらにグルタミルバリンのγ-カルボキシル基をクロロメチルケトンにかえてハロケトンのラベル剤とした。Ar部位については、p-アジド-L-フェニルアラニンを光アフィニティラベル剤として合成した。予備的実験から、いずれの化合物も唇弁糖受容器に対する刺激性を有しR部位と相互作用をすることが明らかになったので、今後ラベル剤の濃度や処理時間、照射時間を検討し、特異的効果を有するラベル剤を検索する。 2.モノクローナル抗体の調製 味受容部位物質の豊富な分画を得るために、切断した唇弁部分を超音波処理して唇弁インテグメントを得ることができた。これは、味覚毛はほとんど保持されているが、唇弁の筋肉組織や神経束がきれいに除かれている組織である。これをホモゲナイズしてからCHAPSやDOCで可溶化したタンパク質分画を濃縮し抗原とする。約5000個の唇弁インテグメントから得られたタンパク質分画は1回分の抗原としてほぼ十分であろうと推定された。
|
Research Products
(2 results)