1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60115009
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 龍夫 兵庫医科大学, 医, 助手 (90068544)
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Keywords | 視物質 / ロドプシン / 光受容 / ラブドーム / レチナール / 膜内粒子 / HPLC |
Research Abstract |
感桿型視細胞光受容膜内の光受容分子の変動を調べ、光受容機能の調節機構を明らかにする事を目的とし、本年度はラブドーム構造が大きく変動する動物で光受容膜内粒子数・視物質量・光感度を調べた。一方、これと並行して、視物質クロモホアを直接抽出し定量分析する方法を開発した。 実験動物にはイソガニを用い、採集後25℃、DL12:12条件に2週間保った後、25℃、DD条件に移し12時間毎に眼を摘出した。ラブドーム直径は明暗条件で約2.5倍の変化があり、これは暗期には全光受容膜面積が明期の約6倍に増加している事になる。 恒暗条件に移すと振幅は次第に減少するが24時間周期でのラブドーム構造変化は持続した。 眼全体の視物質量は暗期は明期の1.7倍で、恒暗条件下でも24時間周期で変動した。 光受容膜内粒子密度と全膜面積の値から膜内粒子総数を求めると暗期は明期の4.5倍であった。 膜内粒子当りの視物質数を計算すると明期で35、暗期で13という極めて大きな値となった。 この結果は、ラブドーム構造外に視物質のプールがあり、光受容膜合成時にすみやかにラブドーム構造に組み込まれてゆくという機構を示唆するものである。 今回の研究は、イソガニでは光受容膜・視物質の合成と分解が内因性日周リズムの支配下にあり、これによって視細胞の光感度が調節されている事を明らかにした。 視物質クロモホアはこれまでレチナールのアルデヒド基をヒドロキシルアミンでブロックし、オキシム誘導体として抽出・分析してきた。今回、これと逆に蛋白のアミノ基を大過剰のホルムアルデヒドでブロックし、レチナールそのものを抽出する事に成功した。 本法による抽出とHPLCによる定量結果はオキシム法に匹適する精度であった。この方法は多くの利点があり、今後有用な手法となろう。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Vision Res.25-2. (1985)
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[Publications] Exp.Eye Res.40-6. (1985)
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[Publications] Brain Res.338-1. (1985)
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[Publications] Zoological Science. 2-4. (1985)