1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60117006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
亀山 正邦 京都大学, 医, 教授 (30101231)
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Keywords | 老年痴呆 / アセチルコリン / 老人斑 / アルツハイマー神経原線維変化 / アミロイド / クロイツフェルトヤコブ病 / 無名質 / フリーラディカル |
Research Abstract |
老年期における痴呆の発症機構を明らかにし、痴呆の治療へのいとぐちをつかむための研究が11名の研究者によって行われた。亀山は老年痴呆剖検脳を用いて、アセチルコリン合成酵素コリン・アセチル転移酵素活性ならびにコリン親和性につき検討した。その結果、同酵素は老年痴呆では、量的のみならず質的異常も認められた。西村は老年痴呆脳におけるカテプシンD活性の変化と脳内線維性蛋白について検討し、カテプシンDが神経原線維変化形成に関与する可能性を示した。立石は老年性アミロイドの組織化学的性質について検討し、老化に伴なう全身性アミロイドと老年痴呆の脳内アミロイドは組織化学的に異なることを明らかにした。朝長はアルツハイマー型老年痴呆における大脳皮質以外の老人斑の分布を検討し、中脳上丘、下丘、中心灰白質に認められるとした。岩田はクロイツフェルトヤコブ病のミオクローヌスはその病期により種々の起源のものが見られ、アルツハイマー病との鑑別に役立つことを明らかにした。葛原は抗アルツハイマー神経原線維変化モノクローン抗体による皮質型と脳幹型Lewy小体の免疫組織化学的研究を行なった。平井は老人斑の冠を構成する神経突起は、大脳皮質の局所由来よりも、皮質下白質より上行する神経突起の変性に由来する可能性を示唆した。飯塚はラット無名質の脳移植を行い、免疫組織化学的にアセチルコリンエステレース、コリン・アセチル転移酵素を検討した。水野はフリー・ラディカルおよび3-アセチルピリジンのラット脳コリン・アセチル転移酵素に対する影響と検討し、3-アセチルピリジンが本酵素活性を減少させることを認めた。藤原は老年痴呆患者死後脳におけるαアドレナリン受容体の変化について検討し、老年痴呆脳における異常を明らかにした。木村は老年痴呆によるアセチルコリン回路網の変化を検討し、無名質の変化が特異的であることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] J.Neurochemistry. 45-2. (1985)
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[Publications] J.Neurochemistry. 46-1. (1986)
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[Publications] 脳と神経. 37-10. (1985)
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[Publications] 理学療法. 12-1. (1985)
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[Publications] J.Neurology. 232-増刊号. (1985)