1985 Fiscal Year Annual Research Report
混晶半導体の電子輸送・再結合とその制御に関する研究
Project/Area Number |
60122007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白藤 純嗣 大阪大学, 工, 助教授 (70029065)
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Keywords | AlGaAs-GaAsヘテロ接合 / 光伝導 / 再結合機構 |
Research Abstract |
1. 変調ドープしたAlx【Ga_(1-x)】As-GaAsヘテロ構造素子ではDX中心によると考えられている持続光伝導が低温(100K以下)において通常観測され、HEMTなどヘテロ界面を利用したデバイスの信頼性を低くする原因となっている。持続光伝導およびそれに伴う過渡光伝導の機構を明らかにするため、これらの光伝導特性の励起スペクトルおよび温度依存性を調べた結果、次のことが明らかになった。 (1)4.2Kでの持続光伝導励起スペクトルには0.8eVおよび1.5eVの2つの励起ステージがある。この特性は変調ドープAlGaAs-GaAsヘテロ接合のみならずGaAsホモ接合においても観測され、ヘテロ接合界面GaAs側の内部電界による電子-正孔対の空間分離が支配的な役割を演じている。 (2)持続光伝導を生じるような光励起を行なうと、消光後非指数関数的なゆっくりした減衰を示す過渡光電導が現われる。指定した時間内で初期値の1/2に減衰する時間として定義した実効的減衰時定数の温度依存性を測定したところ、それは励起光エネルギーが約1.0eV(0.8eVステージのみ励起)と1.52eV(1.5eVステージを主に励起)とで異なることが分った。それぞれ半絶縁性基板中のCrアクセプタへの活性化再結合、GaAsバッファ層中に捕獲された正孔とのトンネルアシステドあるいは活性化形の再結合が過渡光伝導の主たる機構と考えられる。 以上、(1)、(2)の結果はヘテロ接合デバイスの作製にあたっては基板材料やドーピングレベルについても配慮が必要であることを示唆する。 2. エキシマレーザを光源とするジシラン(【Si_2】【H_6】)・アンモニア(【NH_3】)混合ガスの光分解によるCVDを試み、Si基板上への堆積を確認した。次段階として【In_(0.53)】【Ga_(0.47)】As3元混晶基板上に堆積し、MISダイオード特性を調べる計画である。
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Research Products
(2 results)