1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60129035
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平野 哲也 東京大学, 海洋研究所, 教授 (70013571)
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Keywords | 海洋生物資源 / 再生産 / 魚類 / 無脊椎動物 / 初期減耗 / 生殖機構 / 生残機構 / 変態 |
Research Abstract |
本研究は海洋資源生物の生殖機構および生活史初期にみられる減耗に関し基礎的研究を推進し、その再生産機構を解明することを目的としている。本年度は下記の4班にわかれ、共同研究を行なった。 1. 魚類の生殖機構班 (1)ハゼ科のチチブおよびフサカサゴ科の胎生魚の生殖周期を明らかにした。(2)タイ科魚類、とくにマダイの卵形成および成熟過程の内分泌系による調節を解析し、(3)特定水域における産卵行動、産卵量の推移並びに環境要因の変動を観察、記録した。 2. 魚類の初期減耗班 (1)日本海におけるキュリエソの卵および稚仔の分布特性を明らかにし、また海域におけるアユ稚仔の生態に関し、基礎的知見を集積した。(2)ヒラメ稚仔魚の変態過程、即ち着底の過程と減耗の実態を明らかにすると共に、変態には甲状腺ホルモンが関与することを示唆する結果が得られた。(3)仔魚の飢餓状態と初期減耗に関し組織学的研究を行ない。(4)フグの天然産着卵摂取の状況を明らかすると共に、(5)キスの卵発生に及ぼす水温の影響の解明に努めた。 3. 無脊椎動物の生殖機構班 (1)ホタテガイの生殖機構、特にセロトニンによる産卵誘起機構を明らかにした。(2)ウニ生殖巣の成熟に及ぼす光及び水温の影響の解析を行なった。(3)アザミサンゴには生殖様式の異なる種内変種が存在することを明らかにし、また(4)クルマエビの卵巣発達と水温、光周期との関連を神経内分泌学的側面から検索した。 4. 無脊椎動物の生残機構班・(1)ウニ類幼生の成長及び変態後の着底における珪藻類の重要性を明らかにし (2)ロブスターの増殖生態を幼生期の潜伏行動及び底質選択の面から観察を行なった。(3)二豆貝類、特にアサリ、ハマグリの稚仔の生残と環境要因に関する調査を行ない、また(4)仙台湾産のウバガイの底生移行後の初期減耗過程を明らかにした。さらに、(5)多毛類の発生段階による環境要求と加入機構を解明するために、浮遊幼生の季節的消長を調べた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Gen.Comp.Endocrinol.59-2. (1985)
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[Publications] Bull.Japan.Soc.Sci.Fish.51-3. (1985)
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[Publications] Bull.Japan.Soc.Sci.Fish.51-10. (1985)
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[Publications] Tohoku J.Agr.Res.35-1. (1985)
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[Publications] 日本水産学会誌. 52-1. (1986)