1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60211020
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉野 勝美 大阪大学, 工, 助教授 (70029205)
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Keywords | 導電性高分子 / ドーピング / 絶縁体-金属転移 / 色スイッチ |
Research Abstract |
導電性高分子に各種ドーパントが出入りする際に、絶縁体-金属転移をし、色が変化することを利用して、電気的に光情報処理ができ、かつ高速応答、高密度の光情報記憶膜としても活用できることを、既に提案し動作することを示した。本年度の研究では、導電性高分子のドーピングによる絶縁体-金属転移の機構と、光情報記憶膜としての動作特性を明らかにし、これらの知見をもとに最適の導電性高分子を用いた光情報記憶素子を作成する指針となる次の様な成果を得た。 1.光情報記憶法の基本的原理であるドーピングによる絶縁体-金属転移は0.1〜1%の微量ドープ濃度で、導電率が段階的に上昇することを明かにした。これは吸収スペクトル、ESRのドープ量依存性、特にin-situ計測によって、ポーラロン、バイポラロンの生成が大きく寄与していることが判った。 2.ポリチオフェンを例として、ドーピングによるスペクトル変化の詳細な時間応答特性から、応答速度は駆動電圧のみで決まるのではなく、溶媒、膜厚の影響を顕著に受ける事、そのメカニズムは単なる膜厚方向のドーパントの拡散のみでは説明し得ないことを見い出した。 3.光による情報の書き込み現象の基礎機構を調べた結果、不活性なドーパント分子の光解離による誘起ドーピング効果で説明できることを明らかにした。 4.本方式による光情報記憶膜のスペクトルは導電性高分子の種類により大きく異なる。新しく合成に成功したポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンなどの導電性高分子の吸収スペクトルおよび差分スペクトルを調べた結果、分子構造と吸収スペクトルの関係もある程度明らかとなり、所望の色変化をする素子を実現する指針を得た。また印加電圧と繰り返し安定性等の重要な知見も得た。
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[Publications] Mol.Cryst.& Liq.Cryst.121. (1985)
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[Publications] Synthetic Metal. 10. (1985)
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[Publications] J.Applied Physics. 58-5. (1985)
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[Publications] Polymer.Communication. 26-12. (1985)
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[Publications] Polymer.Communication. 26-12. (1985)J.Applied Physics.