1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60213012
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
奥田 喜一 大阪府立大学, 工, 助教授 (50028205)
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Keywords | 超伝導 / 近藤効果 / 価数揺動 / 重いフェルミ粒子 / シェブレル化合物 / ウラシ化合物 |
Research Abstract |
高臨界磁場超伝導物質の開発を目指し、次の3物質系をとりあげその物性研究を行い以下に述べる成果を得た。 [1].【Pb_(1.2)】-x Eux【Mo_6】【S_8】系 磁気不純物Euがこの化合物の上部臨界磁場【Hc_2】によへる効果が阪大超強磁場施設において磁気抵抗法によって測定された。 その結果、Eu濃度X=0.5近傍において【Hc_2】が母体化合物Pb【Mo_6】【S_8】の60テスラを上まわる63テスラまでエシハシスされることを発見した。 更に、この結果を前川-立木の理論によって解析し、Euと伝導電子スピン間の相互作用を評価し-3.2meVを得た。 この相互作用は反強磁性的であり、以前、Jaccarino-Peterによって指摘された内部磁場相殺効果による【Hc_2】のエシハシスメシトを本研究によって実証することができた。 [2].Cex La1-x【Mo_6】【S_8】系 Ce【Mo_6】【S_8】はシェブレル相化合物の中で例外的に超伝導を示さない。その原因を追求するため、XPS、電気抵抗、磁気抵抗の測定を行った。 XPS測定の結果、Ceはこの化合物中において価数揺動を示さず3価であることがわかった。 更に、CeがLa【Mo_6】【S_8】の超伝導によへる効果、Ce【Mo_6】【S_8】の電気抵抗、磁気抵抗の測定結果等は基底状態を【Γ_8】とする結晶場分裂をもつCeの示す近藤効果によって理解されることがわかった。 [3].【V_Q】Ni 帶磁率の測定結果は温度によらない一定値を示し、これから求まる電子比熱γは200mJ/mole・【K^2】と大きく重いフェルミ粒子系として振舞うことがわかった。 更に、電気抵抗の温度依存性はバンド的であり30K以下において温度の2乗に比例し、フェルミ液体としての特性を示す。 XPS測定の結果は2〜3価の混合価数を示す。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] J.Phys.Soc.Jpn.54-4. (1985)
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[Publications] J.Phys.Soc.Jpn.55-2. (1986)
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[Publications] J.Mog.&Mog.Mater.54〜57. (1986)
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[Publications] 日本物理学会. P.240 (1985)
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[Publications] 日本物理学会. P.66 (1985)