1985 Fiscal Year Annual Research Report
人工ミオシン担体の細胞内輸送とそのカルシウムイオンによる制御
Project/Area Number |
60214006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小浜 一弘 東京大学, 医, 助教授 (30101116)
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Keywords | ミオシン / アクチン / カルシウムイオン / アクトミオシン |
Research Abstract |
我々は【Ca^(2+)】が粘菌変形体ミオシンを結合した人工担体(ラテックスビーズ)のシャジクモ節間細胞内のアクケン線維上のATP依存値っ移動にどの様な影響を与えるかを検討した。 1)【Ca^(2+)】でATPase活性が抑制される粘菌変形体ミオシンの他に、【Ca^(2+)】でATPase活性が促進されるホタテ貝ミオシン及び【Ca^(2+)】の作用を受けないウサギ骨格菌ミオシンを精製した。 2)・この三種のミオシンを人工担体と結合させ、ATP及び各種【Ce^(2+)】濃度を含む人工潅流液に対し透析した。 3) 一方、車軸藻節間細胞を処理して細胞内のアクチン束を露出させた。 4) このアクチン束の上に2)で調整したミオシン担体をのせて、ノマルスキー光学系を用い検鏡し、その移動速度を測定した。 5) ミオシン担体の移動速度(μm/sec)は次の通りである。粘菌変形体ミオシンは【Ce^(2+)】非存在下で1.04±0.08(n=11),【Ca^(2+)】存在下で0.41±0.08(n=11)であった。ホタテ貝筋肉ミオシンは【Ca^(2+)】非存在下で0.0、【Ce^(2+)】存在下で1.22±0.39(n=3)であった。ウサギ骨格記ミオシンでは【Ca^(2+)】有無にかかわらず2〜5であった。 以上、これら1)〜5)の結果より、【Ca^(2+)】のミオシン担体の移動速度に対する影響はミオシンのATPase活性に対する【Ca^(2+)】の作用と同一方向に作用することが明らかになった。従って、粘菌変形体ミオシン担体は【Ca^(2+)】によってミオシンを経由してそのアクチン線維上の移動の抑制されていると考えられる。車軸藻節間細胞でみられる細胞内輸送の【Ca^(2+)】による制御も、輸送される物体に結合したミオシンによりなされている可能性も示唆された。
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Research Products
(2 results)