1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60215006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹縄 忠臣 東京大学, 医, 助教授 (40101315)
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Keywords | G【H_3】細胞 / イノシトールリン脂質代謝 / 情報受容伝達異常細胞 |
Research Abstract |
G【H_3】細胞はラット下垂体腫瘍由来の株細胞であり、thyrotropine releasing hormone(TRH)刺激に応答して、プロラクチンを放出・産生する。この情報伝達は、細胞膜上の受容体を介して行われ、イノシトールリン脂質代謝回転の亢進、それに続く【Ca^(2+)】の動員、機能タンパク質のリン酸化、そして情報発現へと至る。申請者らは細胞膜上の受容体を介した情報伝達機序を解明するために、G【H_3】細胞を用い、各種薬剤(ネオマイシン,【Ca^(2+)】イオノフォア,【Ca^(2+)】アンタゴニスト,ホルボールエステル等)に耐性となった変異株を単離・確立した。得られた変異株のなかには、情報伝達機構に異常をもつものが数種、見出されたので、本年度は、これらの変異株が情報伝達過程(受容体→イノシトールリン脂質代謝→【Ca^(2+)】→タンパク質リン酸化)のどの部位に異常を生じているか明らかとすることを目標とした。1.受容体:【^3H】標識TRH結合アッセイを行ったところ、TRHが結合する機能的な受容体を欠損している変異株が見出された。2.イノシトールリン脂質代謝:1.の受容体欠損変異株では当然のことながらTRH刺激後に生じるイノシトールリン脂質代謝回転の亢進は観察されなかった。受容体を有するがイノシトールリン脂質代謝回転亢進を生じない変異株をスクリーニングするためにリン脂質組成を【^(32)P】標識無機リンを用いて調べた。イノシトールリン脂質代謝回転のトリッガー反応はホスファチジルイノシトール4,5,ビスホスフェイトの分解であると考えられているが、この脂質の含量が多い変異株が数種、単離された。これらの変異株はホスファチジルイノシトール4,モノホスフェイト,ホスファチジルイノシトール,ホスファチジン酸含量も高かった。さらにTRH刺激後のイノシトールリン脂質代謝も増強していた。3.【Ca^(2+)】:現在、蛍光色素Quin2を用いて細胞内【Ca^(2+)】動態に異常のある変異株を探索中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Biochem.Pharmacol.34-1931. (1985)
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[Publications] Biochem.Biophys.Res.Commu.129-375. (1985)
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[Publications] Adv.in Prostaglandin,Thromboxane.and Leucotriene Res.15-129. (1985)
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[Publications] Biochem.J.229-643. (1985)
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[Publications] J.Bioogical.Chem.261-1092. (1986)