1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60218008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渋谷 正史 東京大学, 医科研, 助教授 (10107427)
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Keywords | がん遺伝子 / 遺伝子増幅 / myc遺伝子 / fps遺伝子 / ros遺伝子 / 受容体 |
Research Abstract |
1. ヒト腫瘍におけるがん遺伝子の異常の検索 ヌードマウス移植ヒト胃がん3例にc-myc遺伝子の増幅を見出した。20〜30倍の増幅度をもつ2例では染色体分析により典型的にDM像を認めた。また、そのうち未分化型の例ではc-myc mRNAが10倍以上増加していることを明らかにした。一方、原発胃がんの1例にc-yes-1の増幅例を見出した。同一患者の正常胃粘膜では増幅しておらず腫瘍特異的であることを示した。2. ヒトのc-ros遺伝子の単離とその解析 v-rosに対応する全てのエクソンとさらにその上流の細胞外ドメインに属するエクソン1個の単離に成功し、ジデオキシ法により全塩基配例を決定した。その結果ヒトのc-ros-1は細胞外・トランスメンブラン・チロシンキナーゼの3ドメインをもついわゆる受容体型タンパク質をコードする極めて興味深い遺伝子であることが明らかとなった。また染色体マッピングによりc-ros-1,c-ros-2をヒト染色体6番、13番に位置付けた。 3. v-fpsのドメイン構造とc-fps/fesの活性化機構の解析 人工的に合成したv-fps部分欠失変異株により、5′側fps領域がチロシンキナーゼ活性にほとんど影響を与えずトランスフォーメーション活性に著しい影響を及ぼす性質をもつことを明らかにした。またc-fps/fesがgagと融合するだけで活性化され、トランスフォーメーション能を獲得することを示した。 4. ヒト胃がんよる得られたc-myc遺伝子の構造と発がん性について、増幅したc-myc遺伝子の塩基配列を調べ、予想されるアミノ酸配列は変化がないこと、しかし強い転写プロモーターを結合するとラット3Y1細胞をトランスフォームできることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] J.Virol.50-2. (1984)
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[Publications] Molec.Cell.Biol.5-2. (1985)
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[Publications] J.Virol.55-3. (1985)
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[Publications] Cell. 42-1. (1985)
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[Publications] Jpn.J.Cancer Res.(Gann). 76-10. (1985)