1985 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍関連移植抗原に対する免疫応答の細胞性及び分子機構の解析とその応用
Project/Area Number |
60218016
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浜岡 利之 大阪大学, 医, 教授 (60028529)
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Keywords | Lyt-【1^+】【2^-】T細胞 / マクロファージ活性化因子 / インターロイキン-1 |
Research Abstract |
今年度は以下の研究計画について研究を行った。(a):In vivoエフェクター機構の解析:Lyt-【1^+】【2^-】T細胞が如何なる機構で腫瘍排除に働いているかを明らかにする。又上記過程でその細胞性機構を担っている分子機構つまり如何なるリンホカインがどのように働いているかを解析する。(b):リンホカインのin vivo抗与による抗腫瘍免疫誘導能を検討する。 その結果以下に列挙する成績を得た。(a):【◯!1】抗腫瘍免疫T細胞より産生されたリンホカインが非特異的なエフェクター細胞群に働き腫瘍増殖抑制効果を生み出すことがわかった。【◯!2】このリンホカインの産生には、免疫脾細胞中のLyt-【1^+】【2^-】T細胞、対応する腫瘍及びMφの三者が必須であることが明らかとなった。【◯!3】リンホカインはMφ活性化因子(MAF)として働き、活性化Mφが最終エフェクターとして非特異的に腫瘍増殖抑制に働くことが示唆された。【◯!4】リンホカイン(MAF)の性状について解析を行った。MAF活性は限外瀘過により濃縮を行った。これをSephacryl S-300カラムで分画後、MAF活性画分を同収濃縮しTSK-G3000SWHPLCで再分画したところ、主たるMAF活性は分子量約80Kに認められた。(b):リンホカインにILZを選びそのin vivo効果を検討した。:X5563腫瘍細胞を同系【C_3】H/Henマウスの皮内へ移植後、ILZを腫瘍局所周辺皮下又は腹腔内に投与し、非投与群との間で抗腫瘍免疫誘導能を比較した。ILZの投与は原発腫瘍の増殖には顕著な影響を及ぼさなかったが、担癌局所リンパ節細胞を用いた抗X5563遅延型過敏症反応及びWlinn assayで検出されるin vivo protective immunityでは著明な誘導増強が認められた。又これらILZにより増強されたin vivo抗腫瘍免疫は腫瘍特異的Lyt-【1^+】【2^-】T細胞でmediateされている事が明らかとなった。以上Lyt-【1^+】【2^-】T細胞を中心としてその誘導増強に働くILZ及びその産生するMAF等のリンホカインの抗腫瘍免疫における役割が明らかにされた。
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[Publications] J.of Immunology. 135. .2187 (1985)
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[Publications] Cancer Immunol.and Immunotherapy. 20. .183 (1985)
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[Publications] J.of Immunology. 135. .2199 (1985)
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[Publications] Gann. 76. .863 (1985)
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[Publications] J.of Leukocyte Biol.37. .629 (1985)