1985 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロクムレンユニットを含む有機ケイ素試薬を用いる高選択反応の研究
Project/Area Number |
60219024
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐藤 武雄 東京都立大学, 理, 教授 (50087045)
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Keywords | ヘテロクムレン試薬 / 有機ケイ素試薬 |
Research Abstract |
1 目的 有機炭素資源の有効利用をはかり、高い機能性と付加価値をもつ物質への変換を効率よく達成するためには新しい反応原理に基づく有機合成反応の開発がまたれる。本研究ではヘテロクムレンユニットを官能基として含む有機ケイ素化合物を合成試薬として用いる高選択的反応を開発することを目指す。 60年度は官能基としてアジド基に着目し、同一分子内にケイ素原子とアジド基を含むシリルアジドとしてトリメチルシリルアジド(TMSA)およびトリメチルシリルメチルアジド(TMSMA)を選びその反応性を研究した。 2 方法・結果 (1) カルボニル化合物をgem-ジアジドアルカンへの変換。種々のケトンやアルデヒドと2等量のTMSA、触媒量の塩化亜鉛と反応させた所gem-ジアジドを高物率で得た。 (2) テトラゾール誘導体への変換。上記で得たgem-ジアジドを当量の塩化亜鉛と処理したところテトラゾール誘導体を与えることが分った。ケトンは1.5-二量換テトラゾールに、アルデヒドでは一量換テトラゾールおよび第二のアルデヒドが反応した二量換テトラゾールに変換できることが分った。 (3) ニトリルへの変換 芳香族アルデヒドとTMSAとの反応により、芳香族ニトリルが高物率で合成できることが分った。 (4) トリメチルシリルメチルアジド(TMSMA)の反応。TMSMAはメチルアジドのシリル誘導体であり、更に多変反応試薬と考えらける。芳香族金属化合物との反応では、アジンを生成することが分った。また酵塩化物、酵無化物との反応によってトリアジン誘導体写、特色のある化合物を生成することが分った。 以上、これらのケイ素試薬はいずれも合成化学上右用であり、ユニットプにセスに用いることが出語ることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Chem.Lett.(1982)
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[Publications] J.Chem.Soc.,Chem.Commun.(1983)
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[Publications] Bull.Chem.Soc.Jpn.58. (1985)