1985 Fiscal Year Annual Research Report
鉱物の結晶構造とイオンの拡散速度及び拡散機構との相関関係について
Project/Area Number |
60221007
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森岡 正名 東京大学, 国立大(その他), 助手 (20013766)
|
Keywords | 人工単結晶 / 拡散機構 / 拡散係数 / ざくろ石 / メリ石 |
Research Abstract |
1.単結晶試料の合成 (1).ざくろ石: ざくろ石構造を持つ鉱物のなかで、大気圧下で調和融解する事が知られているキド類ざくろ石(【Y_3】【Al_5】【O_(12)】、及び【Er_3】【Al_5】【O_(12)】)について、それぞれ約100gの単結晶を合成した。回転引上げ結晶方位=〔111〕、回転数=30〜60rpm、引上げ速度=3〜10mm/h。 (2).メリ石: ゲーレナイト(【Ca_2】【Al_2】Si【O_7】)及び二種類のオケルマナイト(【Ca_2】Mg【Si_2】【O_7】,【Ca_2】Co【Si_2】【O_7】)単結晶の回転引上げ法による合成条件を決定し、それぞれの単結晶の合成を行った。 引上げ結晶方位=〔100〕、回転数=5〜25rpm-、引上げ速度=1〜2mm/h。 2.拡散係数の測定 (1).ざくろ石: 上記二種類の単結晶対によるY【→!←】Er相互拡散は、その拡散距離が非常に短い(1500℃に於て数μm以下)ため拡散方向へのEPMAによる濃度分布測定は適用出来ない事が判明した。 この為、IMAによる拡散の深さ方向に対する濃度分布測定法について現在検討を加えている。 (2).メリ石: 上記結晶の異る組合わせ対に於るMg【→!←】Co及びMg+Si【→!←】Al+Al相互拡散の二種類の拡散氤構について測定を行った。 この結果、1200℃に於てCo-Mgの1:1相互拡散は、Co/Mg比により2〜8×【10^(-12)】【cm^2】【sec^丐-1)】と変化し、又交換の確率が1:1のそれより低い2:2の相互拡散は5〜10×【10^(-13)】【cm^2】【sec^(-1)】であった。 この事は、2価の陽イオンに比べはるかに動きのおそいと考えられているSi【O_4】マトリックス中のSiもメリ石構造内では他の陽イオンと同程度の速度で移動する事を示していた。
|