1985 Fiscal Year Annual Research Report
混晶半導体を用いた電界効果素子における量子効果に関する研究
Project/Area Number |
60222002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本間 利久 北海道大学 (00091497)
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Keywords | 混晶半導体 / MOCVD / MBE / 超格子 / GaINAs / 電界効果素子 |
Research Abstract |
1.有機金属気相成長法によるGaInAs混晶半導体の成長 電界効果素子において量子効果を観測するためには、高純度の材料を用いることが望ましい。このことから、有機金属気相成長法により高純度GaInAsの成長を試み、また成長機構の解明を行った。用いた原料はトリメチルインジウム(TMIn)、トリメチルガリウム(TMGa)とアルシン(As【H_3】)である。TMInは多用されていないこともあり、基礎的なデータである蒸気圧などにもさまざまな報告がある。ここでは【◯!1】境界層を拡散する種がGaとInである、【◯!2】成長温度650℃においてInの再蒸発はない、【◯!3】TMInとAs【H_3】の間に中間反応はない、【◯!4】TMInの蒸気圧は20℃において1.36〜1.73mmHgである、とすると得られている実験結果が統一的に説明されることを明らかにした。成長したGaInAsはInP基板にほぼ格子整合したもので移動度4700【cm^2】/V・S,キャリア濃度5×【10^(15)】【cm^(-3)】,を示した。 2,GaAs/InAs超格子半導体の成長 分子線エピタキシャル成長法(MBE)を用いて、【Ga_(0.5)】【In_(0.5)】Asと同じ組成をもつGaAs/InAs単原子層、および二原子層超格子を成長した。これは原子を規則正しく配列させて混晶半導体に特有の合金散乱を抑制するためである。GaAs/InAsの成長には反射電子線回折強度のモニタを一部用い、成長の最適化をはかった。構造の確認にはX線回折を用い、超格子からの回折を測定して構造を議論した。 3.GaInAsMIS電界効果トランジスタの試作 InPに適用して成功を収めた二重絶縁膜構造金属-絶縁体-半導体電界効果トランジスタをGaInAsを用いて試作した。絶縁膜形成は陽極酸化を用いた。絶縁膜は【Al_2】【O_3】(780Å)、GaInAs陽極酸化膜(180Å)の二重絶縁膜で、GaInAsの厚さ500Åのエンハーンスメントモードのものを試作したところ、実効移動度3100【cm^2】/V,Sのものを得た。またドレイン電流ドリフトは【10^(-6)】secから【10^4】secで30%減少する注入形であった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Japan.J.Appl.Phys.24-9. (1985)
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[Publications] Inst.Phys.Conf.Ser.79. (1986)
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[Publications] Surf.Sci.(1986)