1985 Fiscal Year Annual Research Report
赤外域ホットルミネセンス光測定による混晶中の電子・ー牛E非発光再結合過程の研究
Project/Area Number |
60222035
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
大倉 ひろし 大阪市立大学, 工, 教授 (50046801)
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Keywords | 半導体の深い準位 / 共鳴2次発光 / 共鳴Raman散乱 / EL2準位 |
Research Abstract |
本年度の主な目的は、混晶半導体内の深い準位をbelow energy=gab(BEG)波長のレーザ光で共鳴励起した際に生ずる「共鳴2次発光」(RSE;hot luminescenceを含む)の微弱赤外光検出を可能とする装置を整備し、RSEの測定を行ない、そのスペクトル解析から深い準位のモデル同定、その対称性及びそれをとりまくミクロな格子構造などの決定、結合phononとの相互作用で生ずる多重phonon緩和過程などの物理的性質を明らかにするにある。上記の目的達成のために行った研究努力及び成果は、次の3項目にまとめることができる。 1. 赤外微弱RSEの検出装置の整備:研究補助金によりdouble monochromatorの赤外用回折格子の一部を購入し、Novth Coast社のGe検出器の使用により、0.86-1.6μmの波長帯にわたって、photon counterに匹敵する高感度のRSE測定装置を製作した。 2. Ga As中のEL2準位(深い準位)の共鳴Raman測定:EL2準位をNd:YAGレーザからのCW光でBEG励起したさいに生ずる共鳴Raman線を、励起光と垂直配置で検出した結果、23Kで149【Cm^(-1)】と173【Cm^(-1)】に鋭いピークを、はじめて測定することをえた。さらにレーザー光励起照射時間に対するphotoluminescence(PL)と前者との間に逆相関のあること、及び後者には何らの相関のないことなどを明らかにした。以上の事実から前者はEL【2^*】(準安定状態)、後者はEL2°(中性状態)の共鳴Raman線とのモデルを提唱した。3. 混晶半導体のRSE:一例として【Ir_1】【Ga_(99)】As混晶のRSE測定を行った。RSEスペクトルは、GaAs に比して微弱なれど有意の変化を示めしているが、特にLO及びTO phonon線においてその変化は著しかった。すなわち、之等の線は、混晶においては、非対称性を示めし、強度比は1.10であった。之に対し、GaAsにおいては対称性はきわめてよく且つ強度比は0.85であった。
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