1985 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウムポンプの逆回転による筋小胞体のカルシウム放出
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60223003
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
金沢 徹 旭川医科大学, 医, 教授 (80028141)
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Keywords | 【Ca^(2+)】-ATPアーゼ / 筋小胞体 / 【Ca^(2+)】-【Ca^(2+)】交換反応 / リン酸化刻素 / 家兎骨格筋 |
Research Abstract |
筋小胞体のカルシウムポンプの逆回転によりカルシウムイオンが細胞質へ遊離する機構を調べるため、以下の実験を行った。 家兎骨格筋から分離した筋小胞体の内部に【^(45)Ca】を負荷したのち、種々の条件で小胞から【^(45)Ca】が流出する速度(【Ca^(2+)】エフラックスの速度)を測定した。このエフラックスは小胞外液の【Ca^(2+)】,【Mg^(2+)】,ATP及び ADPに依存したがAMPによっては促進されなかった。この結果は、このエフラックスが筋小胞体の膜結合性【Ca^(2+)】-ATPaseのリン酸化中間体を仲介とした【Ca^(2+)】-【Ca^(2+)】交換によって起るものであることを示している。【Ca^(2+)】を負荷した筋小胞体を用い、ADPを加えずに上記の【Ca^(2+)】-【Ca^(2+)】交換反応と同様の条件でリン酸化酵素を形成させたのち、EGTAとADPを加えてリン酸化酵素の形成を止めた。その後みられるリン酸化酵素の脱リン酸は時間に対して三相性を示した。このように脱リン酵が三相性であることから、脱リン酸の第1相,第2相,及び第3相に対応する3種類のリン酸化酵素(【EP_1】,【EP_2】,【EP_3】)が区別された。このうち、【EP_1】と【EP_2】の脱リン酸は化学量論的なATP合成を伴った。これに対して、【EP_3】の脱リン酸は化学量論的なPiの放出を伴った。【Ca^(2+)】エフラックスの速度は、【EP_2】の脱リン酸の速度とよく一致したが、【EP_1】の脱リン酸の速度よりはるかに遅く、【EP_3】の脱リン酸の速度よりはるかに速かった。また、【EP_2】の脱リン酸の速度の小胞内【Ca^(2+)】濃度に対する依存性は、【Ca^(2+)】エフラックスの速度の小胞内【Ca^(2+)】濃度に対する依存性と一致した。これらの結果から、筋小胞体の【Ca^(2+)】-ATPaseによって仲介される【Ca^(2+)】-【Ca^(2+)】交換反応の律速過程は【EP_1】と【EP_2】との変換反応であること、及び【EP_3】はこの交換反応には直接関与していないことが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 生化学. 057-008. (1985)
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[Publications] Journal of Biological Chemistry. 260-008. (1985)
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[Publications] Biochimica et Biophysica Acta. (1986)