1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60223010
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾形 悦郎 東京大学, 医, 教授 (70013761)
|
Keywords | ホルモン / カルシウム / 情報伝達系 / Caチャンネル / PI回転 / エクオリン / 細胞内Ca濃度 |
Research Abstract |
ホルモン作用機序における【Ca^(2+)】の役割を明らかにするため本年度はホルモン作用初期にみられる迅速な【Ca^(2+)】の変化を正確に把握することに主眼を置いた。この目的のために、(1)ホルモンがひきおこす細胞膜イオン透過性の変化を電気生理学的方法で測定する、(2)ホルモンによっておこるイノシトールリン脂質代謝回転(PI回転)の調節機構を検討する、(3)ホルモン投与によりおこる細胞内【Ca^(2+)】濃度(〔【Ca^(2+)】〕c)変化を正確に測定することを行ってきた。その結果、(1)a)腎尿細管細胞由来のJTC-12細胞が自発的過分極をおこし、これが【Ca^(2+)】依存性【K^+】チャンネルによることを明らかにした(Pfl【u!¨】ger Arch.405,223,1985)。副甲状腺ホルモンが同様な過分極をおこすことから現在その機序を検討中である。b)下垂体【GH_3】細胞において成長ホルモン分泌刺激ホルモンが電位依存性【Ca^(2+)】チャンネルを抑制することを明らかにした(J.Membrane Biol.87,241,1985)。c)ヒト下垂体腺腫培養細胞においてソマトスタチンは電位依存性【Ca^(2+)】チャンネルを抑制するが、これが【K^+】チャンネルの活性化によることを明らかにした(投稿中)。(2)最近TPAがアゴニストによるフォスフォリパーゼC活性化を抑制することが示され、Cキナーゼガアゴニスト作用にネガティブフィードバックをかける可能性が示唆されている。我々は副腎皮質細胞においてこのTPAの作用が薬理的作用であることを明らかにした(Biochem.J.in press)。(3)【Ca^(2+)】感受性蛋白エクオリンを用いて鋭敏な〔【Ca^(2+)】〕cの測定法を確立した。この方法で副腎細胞、肝細胞、腎糸球体メサンギウム細胞、線維芽細胞などで〔【Ca^(2+)】〕cの測定法を確立した。これらの系で、従来cAMPがそのメッセンジャーであると考えられていたホルモン、例えばACTHやグルカゴンがまた〔【Ca^(2+)】〕cをも上昇させることが明らかとなった(投稿中)。現在、この〔【Ca^(2+)】〕c上昇作用とcAMPの関係について検討中である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Pfl【u!¨】ger Arch.405. (1985)
-
[Publications] J.Membrane Biology. 87. (1985)
-
[Publications] J.Membrane Biology. 87. (1985)Biochem.J.
-
[Publications] J.Membrane Biology. 87. (1985)Biochem.J.Biochem.Biophys.Res.Commun.