1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60225001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市原 耿民 北海道大学, 農, 助教授 (20000820)
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Keywords | 病害抵抗性 / 植物育種 / 植物毒素 |
Research Abstract |
研究計画に従い本年度は甜菜じゃのめ病菌(Phoma betae)、甜菜褐斑病菌(Cercospora beticola)、アスパラガス茎枯病菌(Phoma asparagi)の代謝毒素を用い、宿主植物の培養細胞につき耐毒性株の選抜を行うための予備的実験を行った。 【I】甜菜じゃのめ病菌由来毒素の生成条件の検討:本菌の代謝毒素の中で最も毒性の強いベーテノンCの生産能を高めるため、培養日数,培地組成を検討した。その結果、PS培地にメチオニンを添加し、15日間培養することにより、ベーテノンCの生産量が2.5倍となることを確認した。 【II】甜菜褐斑病菌代謝毒素フルビン酸のカルス増殖に及ぼす効果:材料としてテンサイ系統VS201及びNK183mm【^-0】、細胞質雄性不稔系統【I】-12CmS(R)及びNK169-MSから誘導したカルスを用い、フルビン酸による効果をみた。その結果【◯!1】無処理区では【I】-12CMSCR)の増殖が最も旺盛であった。【◯!2】いずれの系統においても1×【10^(-5)】〜1×【10^(-3)】Mの濃度で増殖が抑制された。【◯!3】毒素の濃度の増加により抑制率も高まり、1×【10^(-4)】M以上ではカルス塊の多くが褐変した。【◯!4】1×【10^(-4)】,1×【10^(-3)】Mでは【I】-12CMS(R)の抑制率が顕著に高かった。 【III】アスパラガス茎枯病菌代謝毒素によるアスパラガスカルスの選抜:茎由来カルスにつき、本菌の代謝毒素ジヒドログラジオール酸(DGA)、培養液による選抜を行った。その結果【◯!1】DGA,PG培地、培養瀘液の各濃度で個体間差は認められなかった。【◯!2】DGA100ppmでは一部のカルスが白色化し、コントロール培地に移しても白色のまま増殖した。【◯!3】PG培地では再分化したカルスが多い。【◯!4】培養瀘液では一部のカルスが生存したが、全て発芽し、生育し続けている。 以上の研究結果をもとに、各種病原菌代謝毒素により抵抗性植物の育成をはかりたい。
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Research Products
(1 results)