1985 Fiscal Year Annual Research Report
中枢ニューロンに対する内因性ペプチドの作用機序-素量解析とノイズ解析
Project/Area Number |
60226006
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山本 長三郎 金沢大学, 医, 教授 (50008231)
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Keywords | オピオイドペプチド / エンケファリン / グルタミン酸 / ガンマアミノ酪酸 / Nアセチルアスパルチルグルタミン酸 / 海馬体 / 苔状線維 |
Research Abstract |
1.テンジクネズミの海馬体から、その長軸に直角に薄切片を作製し人工液中に保った。この薄切片のCA3野の錐体細胞から細胞内電位を記録しつつ、樹状突起分布領域にグルタミン酸(Glu)やガンマアミノ酪酸(GABA)を多管徴小ピペットから電気泳動的に放出して脱分極を発生させた。GluやGABAと同時にDアラニンユメチオニン5エンケファリンアミド(Enk)を放出しても、GluやGABAによる脱分極は影響を受けなかった。また、低Ca液中で苔状線維を電気刺激しさらに、多管徴小ピペット先端からCaを放出せしめることによってピペット先端近傍のシナプスだけを活動させ、それによってCA3野の錐体細胞に興奮性シナプス後電位(EPSP)を発生させた。このEPSPもEnk放出によって影響を受けなかった。したがって、オピオイドペプチドはCA3野の錐体細胞のシナプス伝達を調節する作用はもっていないという結論に達した。 2.嗅皮質においてNアセチルアスパルチルグルタミン酸(NAAG)の興奮作用が2アミノ4ホスホノ酪酸(APB)によって遮断されることから、NAAGが嗅皮質における興奮性伝達物質であろうと示唆されている。海馬体においても、苔状線維刺激によってCA3野に誘発される興奮は低濃度のAPBによって遮断されることが知られているので、NAAGがこの経路の伝達物質である可能性が考えられる。上記の方法によってNAAGをCA3野ニューロンに適用すると強い興奮が発生した。約25%のニューロンにおいてAPBはこの興奮を抑制したが、他のニューロンにおいてAPBはNAAG興奮を抑制しなかった。しかしAPBはすべてのニューロンにおいて、苔状線維刺激による興奮を遮断した。したがってAPBのシナプス伝達遮断作用は、NAAG受容体の抑制によるのではないと結論できる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] EXP.BRAIN RES.57-2. (1985)
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[Publications] EXP.BRAIN RES.59-2. (1985)
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[Publications] EXP.BRAIN RES.60-2. (1985)
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[Publications] EXP.NEUROL.90-3. (1985)