1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60226007
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
芳賀 逹也 浜松医科大学, 医, 助教授 (30011646)
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Keywords | ムスカリン性アセチルコリン受容体 / ムスカリン受容体アセチルコリン受容体 / GTP結合蛋白質 / G蛋白質 / GTP結合制御蛋白質 / 再構成 / リセプター |
Research Abstract |
ムスカリン性アセチルコリン受容体を、アフィニティークロマトグラフィー(ABT-アガロース)と高速液体ゲルろ過クロマトグラフィー(トヨパールTSK4,000、TSK3,000)を用いてブタ大脳のジギトニン-コール酸による抽出液より精製した。又、2種類のGTP結合蛋白質(Go,Gi)を、〔【^(35)S】〕GT【P_γ】S結合活性を指標としてブタ大脳膜分画のコール酸抽出液より精製し、精製したムスカリン受容体とリン脂質中で再構成させ、アゴニスト結合に対するグアニンヌクレオチドの影響を〔【^3H】〕QNB結合を指標として調べた。 ムスカリン受容体の収率は膜分画受容体の3.4%で、450gの大脳より540pmolの受容体が得られた。精製標品はSDS電気泳動で分子量約7万の位置に単一バンドとして観察され、〔【^3H】〕QNB結合の比活性は13.1nmol/mgタンパク質と計算された。この値は分子量76,000あたり1個のリガンド結合部位があることを示す。 再構成により、Gi,【G_o】いづれを用いた場合もムスカリン受容体のアゴニストに対する親和性が増大し、グアニンヌクレオチドの同時添加により親和性の増大が抑制された。加えるGi または【G_o】の量を増加するとグアニンヌクレオチド依存性高親和性アゴニスト結合の割合は増大したが、ある濃度以上で飽和し(全受容体の約50%)、Giと【G_o】の同時添加でも更に増加することはなかった。グアニンヌクレオチドとしては、GTP,GDPいづれを用いた場合も同様な効果が認められた。 ムスカリン受容体は、アセチルコリンとGTP結合蛋白質という2つのリガンドに対して結合部位を持つ、分子量約7万のポリペプチドであると結論される。再構成実験の結果は、Giと【G_o】が同一部位に結合すること、即ちし種類のムスカリン受容体がGi,【G_o】双方と相互作用することを示している。
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[Publications] J.Biol.Chem.260-13. (1985)
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[Publications] Nature. 315-6016. (1985)
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[Publications] Nature. 316-6030. (1985)