1985 Fiscal Year Annual Research Report
スフィンゴリピドーシスの新しい病変-酵素と賦活化因子による病因の研究
Project/Area Number |
60227001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
牧田 章 北海道大学, 医, 教授 (60004561)
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Keywords | ガングリオシドーシス / グロボ系糖脂質 / アシアロガングリオ系糖脂質 / 【Gb_3】Cer合成酵素 / 脳分化障害 / グリコシダーゼ / 水解酵素賦活化因子 |
Research Abstract |
先に我々はGM2ガングリオシドーシス脳で酵素欠損では説明し得ない糖脂質の蓄積のあることを見出したが、本年度はGM1ガングリオシドーシスの脳でもβ-ガラクトシダーゼ欠損では説明できないグロボ系(【Gb_2】Cerと【Gb_4】Cer)及び、アシアロガングリ系糖脂質(【Gg_3】Cer)の蓄積を新たに見い出した。これらの糖脂質は分化した成人脳では検出されず、二つのガングリオシドーシス脳に共通した異所的糖脂質の出現とみなすことができる。本症では【I】型と【II】型の亜型が知られているが蓄積糖脂質の分析からは区別し得なかった。GM2とGM1ガングリオシドーシス脳で見出された変化は、欠損酵素のいかんを問わず酵素の欠損が二次的に脳の発育、分化を障害する結果、未分化な脳では発現されているグロボ系など内臓の主糖脂質がこれら症患脳で発現されると仮定し、病変のない胎児脳の糖脂質を検索している。一部の結果から胎児脳ではグロボ系糖脂質が発現されており、上記仮説の妥当性を更に追究中である。 上記疾患脳で見出された異所性糖脂質出現の機序を生合成反応の面から調べるため、先づ【Gb_3】Cer合成酵素を精製し性状を調べた。本酵素(α-ガラクトシル転移酵素)は分子量6,500と2,200の二つの不同サブユニットから成り、UDP-GalとLacCerに対するKm値はそれぞれ3×【10^(-5)】と5×【10^(-6)】Mであった。精製倍率は約3,300倍であり、反応にはマンガンイオンが必須であった。基礎特異性を調べた結果、α-Gal結合を有する血液B型抗原や【P_1】抗原の生合成には働かない特異性の高い酵素であった。上記疾患脳と正常脳について本酵素を調べる為被検試料を準備している。 酵素欠損がなく、賦活化因子の欠損による糖脂質蓄積症が知られてきたので、この面から上記疾変を調べるため、セレブロシドスルファターゼ賦活化因子(GM1水解の賦活にも働く)を精製し、抗体を得た。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] J.Neurochem.44-4. (1985)
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[Publications] J.Biol.Chem.60-8. (1985)
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[Publications] J.Biochem.98-3. (1985)
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[Publications] Cahbohydr.Res.137-1. (1985)
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[Publications] New Compreh.Biochem.10. (1-100) (1985)