1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60300008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本間 長世 東大, 教養部, 教授 (10012296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新川 健三郎 東京大学, 教養学部, 教授 (50012480)
有賀 貞 一橋大学, 法学部, 教授 (80054302)
亀井 俊介 東京大学, 教養学部, 教授 (70012325)
嘉治 元郎 放送大学, 教養学部, 教授 (20012198)
斎藤 真 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (40009767)
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Keywords | 世紀転換期 / 国際関係 / アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
昭和61年度は本プロジェクト2年目にあたり、活動も軌道に乗り大いに成果をあげることができた。まず報告すべきは各研究者による着実な研究活動の進展であろう。計6回に及ぶ会合において毎回2名が発表、その後で質問、討議がなされ、参加者は当時の合衆国が抱えていた問題を多角的かつ総合的に検討することができた。例えば、当時のアメリカ文学の世界では、欧州と異なり「世紀末」、「デカダンス」が語られることは少なかったが(島田報告)、独占資本主義時代の到来とフロンティアの消滅に象徴される手詰り状況は、合衆国の対外進出を促進させ(斎藤,加茂,大原報告)、国内においては移民の流入と同化の問題(岩野報告)労働運動の高揚と労使関係の変質(野村,平野報告)、政府の役割変化等といった事態をもたらした(新川,木下報告)。多角的決済パターンにみられるように、世界経済においては未だ英国の力が優勢であったが(平田報告)、「パクス・アメリカーナ幕開け準備の時期」にあった当時の合衆国が、19世紀的世界と訣別し、多くの苦悩を抱えながらも新時代へむけて態勢を整えつつあったことは、アメリカ経済学のpol-itical economyからeconomicsへの脱皮という形でもその一端が示されたのである(嘉治報告)。以上の研究活動の成果は学際的アプローチの利点を十分に示しているが、次に図書の購入について述べれば、172冊に及ぶ洋書、及び国務省文書(マイクロ・フィルム)が購入され、初年度購入の資料と共に研究参加者によって利用されつつある。これらの資料は最終的に東京大学アメリカ研究資料センターに所蔵され、一般の利用に供される。 このように、本年度は実質的な研究活動が進展した1年となったが、これまでの活動を土台として最終年度においては各自の研究努力が報告書としてまとめられる予定になっている。次年度における活動とそのより一層の成果が期待されるのである。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 有賀貞: 本研究報告書.
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[Publications] 木下毅: 本研究報告書.
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[Publications] 斎藤真: 本研究報告書.
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[Publications] 島田太郎: 本研究報告書.
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[Publications] 新川健三郎: 本研究報告書に発表予定.
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[Publications] 野村達朗: 本研究報告書.
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[Publications] 本間長世 他 本プロジェクト参加者: "アメリカ世紀転換期の性格" 東京大学出版会より刊行予定, (1988)