1986 Fiscal Year Annual Research Report
特殊教育のマイクロコンピュータによる知的学習機器の構成とその教材開発の実証的研究
Project/Area Number |
60301111
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Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
詫間 晋平 特殊研, 教育工学研究部, 部長 (20012552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅井 勝雄 大阪大学, 人間科学部, 助教授 (40000294)
岡本 敏雄 東京学芸大学, 助教授 (60125094)
成田 滋 国立特殊教育総合研究所, 教育工学研究部, 室長 (10172587)
宮崎 直男 国立特殊教育総合研究所, 精神薄弱教育研究部, 部長 (20150055)
今井 秀雄 国立特殊教育総合研究所, 聴覚・言語障害教育研究部, 部長 (30000285)
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Keywords | 特殊教育 / 精神薄弱児 / 弱視児 / マイクロコンピュータ / 教材開発 / CAI / ワードプロセッサ |
Research Abstract |
本年度は、心身に障害のある児童・生徒の障害の特性を考慮し、マイクロコンピュータ利用の学習を支援するための周辺機器として、タッチパネル及び音声ボードの改良とそのためのプログラム開発を行った。これらの簡易入力機器の充実によって肢体不自由や精神薄弱児童・生徒が、さしたる困難を伴わないで信号を入力できるようになり、より応答性に富んだ学習環境を作れることが実証された。従来の視覚的提示のみに頼ったCAIプログラムを改善し、音声出力を組み込んだプログラムの開発によって、聴覚をとおしての刺激を教材に導入できるようになった。さらに加えて弱視児童・生徒を対象に漢字の書字,読み方,文筆の書き方能力を向上させるため、ワードプロセッサ活用の試用実験を行い、CRTや液晶ディスプレイ上の文字の大きさと視力との関係,キーボード操作能力向上のための効果的指導の開発及び児童・生徒に望ましい市販ワードプロセッサの比較検討を行った。 精神薄弱児童・生徒への数量概念形成用CAI教材として「時刻読み」プログラムをモジュール化し、単純なものからより複雑なものへ学習が移行できるような分岐的プログラムの構造化を試験的に行った。このような階層的プログラムのモジュールは、時計の読み方,時間概念の理解へと般化できるように設計され、長さ(短針と長針),距離(針の移動と時間経過)などの概念を系統的に学べるように配慮してあるのが特色である。この「時刻読み」プログラムに児童・生徒や担当教師の自然音声を入力し、その出力を可能にする改善を行った。あわせて、既存の学習プログラムを使い、マウスの活用によってキーボードからの入力を少くする改善も実施した。これにより、障害の重い児童・生徒にも容易に利用できるようになった。
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