1986 Fiscal Year Annual Research Report
日高帯・神居古潭帯および常呂帯の岩石学的構造とテクトニクス
Project/Area Number |
60302031
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小松 正幸 新大, 理学部, 助教授 (00018665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 学 香川大学, 教育学部, 助教授 (80153188)
新田 清信 北海道大学, 理学部, 助手 (30111149)
鳥海 光弘 東京大学, 理学部, 助教授 (10013757)
坂野 昇平 京都大学, 理学部, 教授 (30019468)
在田 一則 北海道大学, 理学部, 助手 (30091408)
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Keywords | 日高変成帯 / 神居古潭帯 / 常呂帯 / 高圧型変成作用 / グラニュライト相 / 過アルミナ花こう岩 / 蛇紋岩メランジ |
Research Abstract |
1.日高変成帯。(1)花こう岩質岩体のへい入深度による4つのグループについて主要元素、微量元素の分析、変成岩包有物とマグロの反応、変成岩母岩とマグマの反応の解析がなされ、へい入深度によってそれらの関係に系統的違いがあることが明らかになった。すなわち中上部不均質トーナル岩は閉緑岩質マグマの分化と変成岩母岩の機械的混合、中部不均質トーナル岩は機械的混合と変成岩包有物の部分溶融による溶液の混合、下部不均質トーナル岩は主として変成岩包有物の部分溶融による溶液の混合によって形成された。(2)日高変成帯-日高島弧地殻の形成と上昇プロセスの解析が進み主要な3つの段階が区別され、各段階の実証的研究がなされた。ア.島弧の衝突による地層の厚化過程(古第三紀初)、イ.島弧火成活動と変成作用(44〜17Ma)、ウ.地殻の水平すべり移動と低角衝上(17〜10Ma)、および山脈化(10Ma以降)。 2.神居古潭帯。(1)変成作用の解析、ローソン石、緑レン石と共存するパンペリー石の化学組成変化が解析され、詳細な変成分帯がなされた。またヒスイ輝石-石英の組合せをもつ変成岩は蛇紋岩中のブロックとしてのみ産出すること、そのP-T条件と形成過程の解析が進んだ。(2)紋岩メランジ中の変成岩ブロックについて3つのタイプが区分され、その解析から低圧-中圧-高圧の3段階を経ていることが明らかになった。 3.北海道中生代の構造帯の時代と形成過程が解析され、西側島弧-海溝系は前期白亜紀および後期白亜紀付加帯の2帯、東側島弧-海溝系は後期白亜紀付加帯のみよりなること、日高帯には東・亜2つの島弧-海溝系付加帯が構造的に複合していることが明らかにされた。この複合は2つの島弧-海溝系の衝突・接合によるものであり、この時期は古第三紀初期に限定される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小山内康人: 地質学雑誌. 92巻. 793-808 (1986)
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[Publications] 木村学: Geology. 14巻. 404-407 (1986)
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[Publications] 木村学: Tectonics.
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[Publications] 小松正幸: 地団研専報. 31巻. 189-203 (1986)
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[Publications] 小松正幸: 地団研専報. 31巻. 441-450 (1986)
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[Publications] 前田仁一郎: 地団研専報. 31巻. 223-246 (1986)